GoogleのAI検索で何が変わる?SEOへの影響と対策を徹底解説

2026.04.15

WorkWonders

GoogleのAI検索で何が変わる?SEOへの影響と対策を徹底解説

はじめに

GoogleがAI検索を本格的に展開し、検索結果の見え方が大きく変わりつつあります。従来のように「10本の青いリンク」が並ぶ画面ではなく、AIが回答を生成して画面上部に表示する仕組みが広がっているためです。この変化をSEOの観点で正しく理解しないと、自社サイトへのアクセスが大幅に減る可能性があります。

AI Overviewsが表示されたキーワードでは、検索結果1位のクリックが34.5%減少したとの調査データがあり、影響は数字にも表れています。本記事では、GoogleのAI検索の仕組みからSEOへの具体的な影響、そして実務で取るべき対策までを順に解説します。

GoogleのAI検索とは

GoogleのAI検索とは

AI Overviews・AI Mode・Geminiの違い

GoogleのAI検索には、大きく3つの機能があります。AI Overviewsは通常の検索結果ページの上部にAIが生成した要約を表示する機能で、ユーザーが追加操作をしなくても自動で現れます。AI Modeは、AIによる対話型の検索体験を端から端まで提供する機能です。2025年5月にGoogleのCEOであるSundar Pichai氏が年次開発者会議で「検索の完全な再構想」と表現して発表しました(参照*1)。

一方、Geminiは検索以外にも使われるGoogleの大規模言語モデルそのものを指します。AI OverviewsやAI Modeの裏側でGeminiが動いており、2026年1月にはAppleがGeminiのモデルとクラウド技術を活用してSiriのAI機能を強化する複数年パートナーシップを発表しました(参照*2)。AI Overviewsは「浅く素早い概要」、AI Modeは「深い分析と比較」、Geminiは「両方を支える基盤技術」と切り分けて把握すると、それぞれの役割を区別しやすくなります(参照*3)。

従来の検索との構造的な差異

AI検索では、AIが複数の情報源を統合し、回答そのものを検索結果ページ上で生成して表示します。従来のGoogle検索は、ユーザーがキーワードを入力するとウェブサイトのリストを返す仕組みで、ユーザーは自分でリンクを選び、各サイトの情報を読み比べて判断します。

GoogleのAI検索は、検索クエリを複数のサブトピックに分割して処理する手法(query fan-out)を使います(参照*3)。AI Overviewsは検索結果ページの大きな面積をAI生成の回答に割いており、ユーザーがリンクをクリックしなくても疑問が解決する場面が増えています(参照*4)。サイト運営者にとっては、自分のページが回答の引用元になるか、それとも表示すらされないかが新たな分岐点になります。

AI検索が急拡大した背景

AI検索が急拡大した背景

生成AIの台頭と検索市場の再編

生成AIの登場は、オンライン検索の市場構造を分裂させました。検索市場は少なくとも3つに分かれ、ユーザーがキーワードを入力してウェブサイトの一覧を受け取る「従来型検索」はそのうちの1つとして位置づけられています。2025年8月時点で、従来型の検索エンジン市場ではGoogleが世界で89.89%のシェアを持ち、2位のMicrosoft Bingは3.92%にとどまりました。この水準は直前の12か月間でほぼ変動していません(参照*5)。

AI Overviewsは提供開始から1年で月間15億人以上、200を超える国と地域で使われるようになり、生成AIを最も多くの人に届けた製品と位置づけられています(参照*6)。Googleは従来型検索で圧倒的なシェアを維持しつつ、AI検索の分野でも先行しようとしています。サイト運営者は、自社サイトの流入元がどの市場に依存しているかを見直す必要があります。

Google独占禁止法訴訟とAIの関係

GoogleのAI検索の拡大は、同社が直面している独占禁止法訴訟とも深く結びついています。訴訟の中では、Googleが検索の支配力を使ってAI製品を改善し、さらに多くのユーザーをGoogle検索に呼び戻す循環構造を作っていると主張されました。この仕組みがGoogleの支配を維持し、競合を両方の市場から締め出しているとの指摘です(参照*7)。

Googleは急速に変化する市場で存在感を失わないよう、AI Overviews、AI Mode、Geminiといった複数のAI製品を積極的に開発してきました(参照*4)。さらに2026年1月には、AppleがGoogleのGeminiモデルとクラウド技術を使ってSiriを含むAI機能を動かすパートナーシップが公表されました(参照*2)。独占禁止法の議論が進む一方で、GoogleのAI検索の影響範囲は広がり続けている状況です。SEO担当者は、こうした規制動向がGoogleの検索結果表示のルールに変化をもたらす可能性を念頭に置いておく必要があります。

SEOへの具体的な影響

SEOへの具体的な影響

クリック率34.5%減少の調査データ

AI Overviewsが表示されるキーワードでは、検索結果1位のクリックが減っています。2024年3月時点で、AI Overviewsが出るキーワードの1位の平均クリック率は7.3%でした。2025年3月にはこの数値が2.6%まで落ち込み、クリックが34.5%減少したとされています(参照*8)。

一方、Google側はAI Overviewsによってより多くのリンクと幅広い情報源が検索結果ページに表示されるようになり、コンテンツが発見される新しい機会が生まれていると説明しています。また、AI Overviewsを含む検索結果ページからのクリックはウェブサイトにとって質が高く、訪問者がサイト上でより長い時間を過ごす傾向があるとしています(参照*6)。クリックの減少幅とクリックの質のどちらが自社に大きく影響するのかを、自サイトのデータで検証することが実務上の出発点になります。

ゼロクリック検索の拡大とトラフィック減

AI Overviewsの普及に伴い、ユーザーがリンクをクリックせずに検索を終える「ゼロクリック検索」が増えています。ある調査では、検索ユーザーの約80%がAIによる要約を少なくとも40%の頻度で利用しており、全検索の約60%がゼロクリックで終わるとされています(参照*4)。

ゼロクリック検索が増えれば、ウェブサイトへの自然検索トラフィックはその分減ります。サイト運営者は、検索流入に頼る集客モデルがどの程度ゼロクリックの影響を受けているかを定量的に把握する作業が求められます。自社が狙うキーワードにAI Overviewsが表示されているかどうかを定期的に確認し、該当するキーワードのトラフィック推移を追跡することが対応の第一歩です。

Google自己参照リンクの増加問題

AI Modeでは、AIが生成する回答の中に含まれるリンクの偏りが問題視されています。AI Modeで引用されるリンク全体のうち推定17%がGoogle自身のページに戻るもので、この割合は過去1年で3倍に増えました。AI Modeで2番目に多く引用されるウェブサイトは、やはりGoogle傘下のYouTubeです(参照*9)。

この傾向が強まると、外部サイトがAI検索経由で得られるトラフィックの取り分は相対的に縮小します。独占禁止法の議論で指摘されている「検索の支配力がAI製品を強化し、さらにユーザーをGoogleに戻す循環構造」とも重なる論点です(参照*7)。サイト運営者は、AI Modeからの流入とGoogle以外の検索経路からの流入を区別して計測し、トラフィック構成の変化を追う体制を整えておく必要があります。

AI検索時代のSEO対策

AI検索時代のSEO対策

構造化データとスキーママークアップ

AI検索に自サイトの情報を正しく拾ってもらうには、ページの内容を機械が読み取りやすい形で整えることが欠かせません。あるライブイベントのチケット販売企業は、スキーマ(構造化データの形式)、構造化メタデータ、リアルタイムの在庫フィードへ継続的に投資しています。これにより、イベント情報が生成型の検索結果に正確かつ目立つ形で表示される状態を実現しました。各イベントページには最新の詳細情報、リッチな画像、ライブ更新を組み合わせ、AIによる検索結果への掲載対象として最適化しています(参照*10)。

自社サイトでも、取り扱うコンテンツの種類に合ったスキーママークアップを実装し、情報の鮮度を保つ運用体制を構築することが実務上の対応になります。特に価格や在庫、日時など変動する情報を扱うサイトでは、データの更新頻度がAI検索での表示精度に直結します。

AI Overviewsに引用される条件

AI Overviewsに自サイトが引用されると、ユーザーからの信頼獲得にもつながります。ある調査では、回答者の79%がGoogleのAI Overviewsを読んでおり、AI Overviewsで引用されたブランドを信頼する傾向があると56%が回答しました(参照*11)。引用される側に回ることが、AI検索時代のブランド認知において有利に働く可能性を示すデータです。

ただし、現時点ではGoogleのSearch Console(検索パフォーマンスを確認できる管理画面)がAI Overviewsからのクリックと通常の自然検索トラフィックを分離して表示しません。パフォーマンスの変動がAI Overviewsによるものか、他の要因によるものかをサイト運営者が簡単に判別できない状態です(参照*8)。一方、Search Consoleのパフォーマンスレポートには自然言語でデータの分析内容を指定できるAI活用の実験的機能も追加されており、フィルターや設定を自動で適用してくれます(参照*12)。こうしたツールの動向を追いつつ、AI Overviewsの影響を自サイトの計測体制に組み込む準備を進めておくことがポイントです。

マルチプラットフォーム最適化

AI検索の時代には、Google検索だけに依存しない集客の分散も検討すべき対策のひとつです。AIの登場でオンライン検索の市場は少なくとも3つに分かれたと指摘されており、ユーザーの検索行動は多様化しています(参照*5)。

AI Overviewsが月間15億人以上に届いている一方、その中で自社サイトへのリンクが表示される保証はありません(参照*6)。AI Modeの引用リンクのうち17%がGoogle自身に、次いでYouTubeに向かっている現状を考えると、YouTubeやSNSなど複数の接点でコンテンツを公開しておく意味は大きいです(参照*9)。自社コンテンツの露出経路を棚卸しし、Google検索以外のチャネルでの流入割合を定期的に計測する体制を整えることが具体的な作業になります。

Google AI検索の注意点とリスク

Google AI検索の注意点とリスク

誤情報・ハルシネーションの実例

AI検索は便利な一方で、誤った情報を自信ありげに提示する「ハルシネーション」のリスクを抱えています。医療分野の事例では、GoogleのAI検索エンジンが乳酸の単位変換を求めるクエリに対して、血糖値の変換係数を誤って適用した結果を表示しました。乳酸の変換係数として18を使ったオンラインツールやウェブサイトは確認されておらず、重大な誤りであると研究者が指摘しています。臨床医はGoogleのAI検索結果の正確性を手作業で検証しなければならないと結論づけられました(参照*3)。

健康情報に関しては、AI Overviewsが誤った医療情報や誤解を招く内容を表示してユーザーに害を及ぼすリスクがあるとの調査報道もあります。AI生成の要約は月間20億人に表示され、従来の検索結果よりも上に配置されます(参照*13)。AI検索の回答をそのまま情報源として利用するのではなく、元のリンク先を確認する習慣を読者側にも、引用される側の発信者にも持つことが求められます。

環境コストとエネルギー消費

AI検索の拡大に伴い、その稼働に必要なエネルギー消費も無視できない論点になっています。ある推計によると、Geminiを使ったテキストプロンプト1回あたりのエネルギー消費量の中央値は0.24ワット時で、二酸化炭素排出量は0.03グラムCO2相当、水の消費量は0.26ミリリットル(約5滴)です。1回のプロンプトによるエネルギー影響は、テレビを9秒未満視聴するのに相当するとされています。これらの数値は、世の中で広まっている多くの推計値よりも大幅に低いと報告されています(参照*14)。

1回あたりの消費量は小さく見えますが、AI Overviewsだけで月間15億人以上のユーザーが利用している規模を考えると、総量は決して無視できません(参照*6)。環境負荷の議論は今後も続くと見込まれるため、AI検索の利便性とエネルギーコストの両面を把握しておくことがポイントです。

おわりに

GoogleのAI検索は、検索結果の構造・クリック率・トラフィック配分・情報の正確性まで、SEOに関わるあらゆる領域に影響を与えています。AI Overviewsの表示で検索1位のクリックが34.5%減少した調査データや、AI Modeの引用リンクの17%がGoogle自身に向かう状況は、従来のSEOの前提を見直す必要があることを示しています。

構造化データの整備、AI Overviewsに引用されるためのコンテンツ設計、Google以外のチャネルへの分散、そして誤情報リスクへの備えが、押さえるべき主な対策です。自サイトの流入構造をデータで把握し、AI検索の変化に合わせて施策を更新し続けることが、今後のSEO運用の土台になります。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

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