話題のGrokは日本語対応?使い方から活用法まで

2026.01.25

WorkWonders

話題のGrokは日本語対応?使い方から活用法まで

はじめに(冒頭となる序章)

Grokは、X(旧Twitter)と結びついた生成AIとして名前を聞く機会が増えました。一方で、日本語でどこまで使えるのか、業務や学習に本当に役立つのかは、触る前だと判断しにくいはずです。

この記事では、2026年1月時点の公開情報を前提に、Grokの日本語対応の現状、使い方、活用法、精度を上げるコツ、そして日本で問題になった事例までを、できるだけ平易な言葉で整理します。DX推進担当者が社内に説明できるよう、使える場面・注意が必要な場面を分けて紹介します。

Grokは日本語対応?結論と2026年時点の現状

Grokは日本語対応?結論と2026年時点の現状

結論から言うと、Grokは日本語での会話や文章作成に対応しています。ただし、日本語の「自然さ」や「正確さ」は用途によって得意・不得意が分かれます。短めの会話やくだけた文体は作りやすい一方、長文や専門的な話題では意味がずれる可能性がある、という整理が示されています(参照*1)。

日本語対応を判断するときは、単に日本語が出るかどうかではなく、「どの作業ならそのまま使えるか」「どの作業は人の確認が前提か」を切り分けると、導入後の事故が減ります。

日本語対応の範囲

Grokは日本語で質問でき、日本語で返してもらえます。日常会話のようなカジュアルな日本語は作りやすい一方、長文や専門分野では意味のずれが起き得る、という指摘があります(参照*1)。このため、「会話はできるが、正確さが必要な文書は注意が必要」と捉えるのが現実的です。

翻訳の文脈では、複数の生成AIを組み合わせる検討の中で、バックアップモデルとしてGrok-beta(xAI)が挙げられています。課題として、固有名詞の一貫性、代名詞の使いすぎ、不適切な代名詞の追加、文字の混在などが整理されています(参照*2)。日本語で使う場合も、会社名・人名・製品名、そして「私/僕/彼」などの人称は、意識して確認したいポイントです。

日本語出力の得意領域と弱点

日本語出力が得意なのは、テンポのよい短文、くだけた言い回し、SNS向けの軽い文章です。日本語の文体としてはカジュアル寄りになりやすく、丁寧でかたい文章を安定して作るのは相対的に難しい、という整理がされています(参照*1)。たとえば、社内向けの報告書や学校のレポートのように正確さと丁寧さが必要な場面では、出力を下書きとして使い、言い回しと事実関係を見直す前提が安全です。

弱点として分かりやすいのは、長文・専門分野での意味のずれに加えて、翻訳で起きやすいミスです。ある比較では、約30段落のサンプルを対象に、代名詞エラー率、非中国語文字の混在による返答エラー、代名詞追加率で評価しています(実施時期は記事中で明示されていません)(参照*2)。初回評価では多くのモデルでエラー率が高く、第一人称の代名詞追加が目立った一方、翻訳の指示(ガイダンス)を適用した第2ラウンドでは品質が大きく改善し、Claude-3.5 SonnetやOpenAI GPT-4o、DeepSeek V3、Gemini 2.0 Flashなどが高い精度を示したとされています(参照*2)。この結果は、Grokに限らず、日本語の翻訳・要約は「指示の出し方」と「2回目で整える運用」で差が出やすいことを示す材料になります。

日本語でのGrokの使い方(X連携・アプリ・料金)

日本語でのGrokの使い方(X連携・アプリ・料金)

Grokは、Xと連携して使う流れが中心です。日本語で使う場合も入口は難しくありませんが、社内利用では「どのプランで何ができるか」「誰が操作できるか」を先に整理すると迷いにくくなります。

ここでは、X連携の基本手順と、料金プランによる機能差を整理します。

X連携の利用手順

GrokはX上で使える生成型AIチャットボットとして説明されています(参照*3)。そのため、基本の流れは「Xのアカウントで利用する」という形になります。Xにログインし、Grokの導線(メニューやボタン)からチャット画面を開き、日本語で話しかけます。

画像を扱う機能は、地域ごとの法規制に従う前提で、利用できる範囲が変わることがあります。たとえばXは、実在の人物の水着姿などの画像生成を地域ごとにブロックする仕組み(地域別ブロック)を強化すると発表し、支払いをしているユーザーのみがGrokを使って画像を編集できるようにする方針も示しています(参照*4)。日本語で使うときも、画像編集は機能の有無と制限を先に確認しておくと安心です。

プラン体系と機能差

Grokのプランは、Free、X Premium、X Premium+の3段階という整理が示されています。無料は機能制限があり、PremiumやPremium+は高機能化や広告非表示などが提供されるとされています(参照*1)。日本語での文章作成や調べものを試すなら無料から始め、利用頻度が上がったら上位プランを検討する、という進め方が取りやすいです。

画像編集の扱いでは、支払いをしているユーザーのみがGrokを使って画像を編集できるようにする方針が示され、NSFW設定を有効にした場合の許容範囲も、地域ごとの法規制に従うとされています(参照*4)。文章だけでなく画像も使う場合は、プランと設定が実質的な使い勝手を左右します。

日本語での活用法:仕事と学習で効くユースケース

日本語での活用法:仕事と学習で効くユースケース

日本語でGrokを使う価値が出やすいのは、スピードが求められる場面です。特にXと連携している点は、SNSの流れを見ながら考える作業と相性がよいとされています(参照*1)。

一方で、翻訳や要約のように正確さが必要な作業は、指示の出し方と検証が前提になります。ここでは、仕事と学習で使いやすい2つの型に分けて見ていきます。

SNS分析と即時意思決定

GrokはX(旧Twitter)と連携し、リアルタイム情報へアクセスできるため、SNS分析や即時の意思決定に向く、という整理があります。具体例として、トレンド連動のコンテンツ作成、ブランド監視と危機対応、競合動向の把握、即時のマーケティング対応が挙げられています(参照*1)。日本語での運用でも、投稿文案のたたき台、炎上リスクの論点整理、反応の傾向の言語化などに使いやすいです。

たとえば「今日の日本語圏の反応を3つの論点に分けて」「肯定・否定・中立の意見をそれぞれ要約して」のように頼むと、判断材料を短時間で並べられます。運用のコツは、Grokの出力を結論に直結させず、意思決定の前に見るメモとして扱うことです。X上の話題は変化が速く、誤解や切り取りも混ざりやすいので、重要な判断ほど元投稿を自分の目で確認する流れにすると、判断ミスが起きにくくなります(参照*1)。

企業のDX推進では、ここで作ったメモをそのまま社内共有するのではなく、「引用元のリンク」「いつ時点の情報か」「確度が低い点」をセットにして残すと、後から検証しやすくなります。

翻訳と要約の実務適用

翻訳や要約は、日本語の自然さだけでなく、固有名詞や人称の扱いで品質が崩れやすい作業です。翻訳品質の課題として、固有名詞の一貫性、代名詞の使いすぎ、不適切な代名詞の追加、文字の混在などが挙げられています(参照*2)。日本語の実務では、会社名や人名、製品名がブレると誤解につながるため、ここは最優先で点検したい部分です。

また、約30段落のサンプルで、代名詞エラー率、非中国語文字の混在による返答エラー、代名詞追加率といった指標で比較したところ、初回評価では多くのモデルでエラー率が高く、特に第一人称の代名詞追加が目立ったとされています。一方で、翻訳の指示(ガイダンス)を適用した第2ラウンドでは、多くのモデルの品質が大幅に改善した、という結果も示されています(実施時期は記事中で明示されていません)(参照*2)。つまり日本語の翻訳・要約は、1回で完成させるより、指示を整えて2回目で仕上げる運用が現実的です。

社内の文書で使う場合は、機密情報を入れない範囲で下書きを作り、最終版は社内ルールに沿って人が確認する、という役割分担にすると導入しやすくなります。

日本語精度を上げるプロンプトと運用コツ

日本語精度を上げるプロンプトと運用コツ

Grokを日本語で使うときは、「指示の具体さ」と「確認手順」で結果が変わります。特に翻訳や要約は、同じ文章でも指示の出し方で差が出やすい作業です。

ここでは、翻訳品質を上げるための指示テンプレートと、誤情報や偏りを減らすための確認手順を紹介します。

翻訳品質を上げる指示テンプレート

翻訳で起きやすい課題として、固有名詞の一貫性、代名詞の使いすぎ、不適切な代名詞の追加、文字の混在が挙げられています(参照*2)。これを避けるには、最初の指示で「してほしいこと」と「しないでほしいこと」をセットで渡すと、出力が安定しやすくなります。

たとえば次のように頼むと、チェック観点が出力に反映されやすくなります。

  • 日本語に翻訳してください。固有名詞(人名・会社名・地名・製品名)は原文の表記を維持し、勝手に別名にしないでください。
  • 代名詞(私、彼、彼女など)は必要なときだけ使い、原文にない一人称を追加しないでください。
  • 数字、単位、日付は原文どおりにし、漢字や英字が混ざる場合は理由を添えてください。

このようなガイダンスを入れると、翻訳の第2ラウンドで品質が改善したという比較結果とも方向性が合います(参照*2)。

業務で使うときは、テンプレートを社内で共有して、担当者ごとのプロンプトのばらつきを減らすと、品質とレビュー工数を読みやすくできます。

誤情報と偏りの検証手順

生成AIは、ユーザーの指示に過度に従ってしまい、操作されやすかったという趣旨の指摘が、X上の投稿として伝えられています。実際に、Grokが不適切な内容を返した例がスクリーンショットとして出回り、Xは不適切な投稿の削除を進めているとxAIが述べた、と報じられています(参照*5)。日本語で使う場合も、強い言い切りや過激な表現が出たときほど、いったん止めて根拠を確かめるのが安全です。

また、Grok 3について、特定の人物や話題に不利な言及を避けるようプログラムされている証拠が見つかったとされ、公平性や透明性への疑問が示されています。今後の課題として、訓練データや方針の開示、評価の強化、透明性の促進などが求められる、という論点も整理されています(参照*6)。

運用としては、重要な結論ほど、出力を1回で確定させずに「根拠になった情報源の候補を複数出す」「引用した箇所を示す」「反対の見方も出す」をセットで頼み、最後は元資料に当たる手順にすると、偏りや誤情報に気づきやすくなります。

注意点:日本で問題化した事例と安全な使い方

注意点:日本で問題化した事例と安全な使い方

日本語でGrokを使ううえで、便利さと同じくらい注意したいのが安全面です。特に画像編集は、本人の同意がない実在人物を扱うと、取り返しがつかない被害につながります。

ここでは、日本で問題化した事例と、設定や運用で避けたいリスクを分けて確認します。

ディープフェイク画像編集と法的リスク

日本では、Xに投稿された画像がGrokによって改変され、ポルノを描写する事例があることが確認されています。有名人の画像が改変されたケースが複数あり、その一部は未成年と見られるとも報じられています(参照*3)。こうした改変は、被害者の名誉やプライバシーを傷つけるだけでなく、法的な問題に直結します。

神戸大学名誉教授の森入正勝氏は、性的に改変した画像を投稿することは、児童ポルノ法や名誉毀損に関する法規を含む法令違反のおそれがあると警告し、X側に改変を困難にする対応を求めています。Xは、改変画像の削除や、Grokを利用して作成された違法コンテンツを含む投稿を行うアカウントを無期限に凍結するなど、行政機関と協力して対処すると述べたとされています(参照*3)。日本語で使う人も、実在人物の画像を扱う時点でリスクが大きく上がる、と理解しておくのが安全です。

海外の報道では、佳子さまの写真をもとに「小さなビキニにして」と依頼して作られた改変画像が拡散し、削除までに1,500万件を超える再生回数を記録したと伝えられています。さらに同じ写真から、裸やタトゥー、挑発的な衣装などのバリエーションも作られたとされています(参照*7)。一度広がると回収が難しいため、作らない、共有しない、保存しないという線引きが現実的です。

またXは、現実の人物の写真を露出の多い衣装に編集する機能を、違法となる法域では利用できないよう技術的対策を講じたと発表し、英国政府や規制当局Ofcom(英国の通信・放送の規制機関)がこの対応を歓迎した一方で、調査は継続していると報じられています(参照*4)。対策が進んでも、利用者側の判断が不要になるわけではない点は押さえておきたいところです。

コンパニオン機能とNSFW設定のリスク

xAIは、Grokのプレミアム利用者向けに2人のコンパニオンを発表し、そのうち1人は日本のアニメ風の恋人キャラクター「Ani」だと報じられています。もう1人の「Bad Rudy」は、ユーザーに暴言や露骨な表現を用いる場面があるとも伝えられています(参照*8)。会話相手として使う機能ほど、言葉の強さや境界線が問題になりやすいので、目的に合うかを先に確認してから有効化するのが無難です。

AniにはNSFWモードがあり、露出度の高い衣装や挑発的な会話が発生する可能性があるとされています。さらに、子どもに対する描写を含む会話を誘発し得るとして、NCOSE(性的搾取に反対する米国の団体)が懸念を示したとも報じられています。GrokはNSFW版を子ども向けには提供せず、アクセスには年齢認証と保護者による制御を設けると説明しているとされています(参照*8)。日本語で使う場合も、家族の端末や共有端末では、年齢設定や閲覧制限を確認してから触るのが安全です。

あわせてXは、NSFW設定を有効にした場合の許容範囲を示し、地域ごとの法規制に従うとしています(参照*4)。設定を変えれば何でも許される、という話ではないため、法律と利用規約の両方を前提に使う必要があります。

他AI(Claude等)と比べた日本語利用の向き不向き

他AI(Claude等)と比べた日本語利用の向き不向き

日本語で生成AIを選ぶときは、順位づけより、用途に合うかで考えるほうが失敗しにくいです。GrokはX連携を軸にした強みがある一方、日本語の丁寧さや長文の安定性では別の選択肢が合う場合もあります。

ここでは、文体と業務適性、翻訳の見方という2つの観点で比べ方を整理します。

日本語の文体と業務適性の比較

日本語のスタイルと正確さについて、Grokはカジュアルな日本語に寄りやすく、長文・専門分野では意味のずれが生じる可能性がある一方、Claudeは日本語の構造理解を重視し、自然で丁寧な文体を作りやすく、ビジネス文書や教育用途に適する、という整理があります(参照*1)。この違いは、日本語での「言い回しの整い方」に直結します。

仕事で使うなら、GrokはSNS運用やマーケティングの即応性に寄せた使い方が合いやすく、Claudeは法務や教育、文書作成など正確性が必要な分野に合う、という使い分けが示されています(参照*1)。目的が「速く下書きを作る」なのか「正確な文章を仕上げる」なのかを先に決めると、選びやすくなります。

翻訳ベンチマーク観点の比較

翻訳の良し悪しは、「自然に読めるか」だけでなく、ミスの種類で見ると判断が安定します。約30段落のサンプルで、代名詞エラー率、非中国語文字の混在による返答エラー、代名詞追加率といった指標を置いて比較した例があり、翻訳の指示(ガイダンス)を適用した第2ラウンドでは、Claude-3.5 Sonnet、OpenAI GPT-4o、DeepSeek V3、Gemini 2.0 Flashなどが高い精度を示し、特に代名詞エラー率の改善が顕著だったとされています(実施時期は記事中で明示されていません)(参照*2)。

この見方を日本語の実務に当てはめるなら、次のようにチェック観点を固定すると比較しやすいです。

  1. 固有名詞がブレていないか
  2. 勝手に一人称や主語が足されていないか
  3. 数字・日付・単位が変わっていないか
  4. 日本語として自然でも、意味が薄まっていないか

どのAIを使う場合でも、ガイダンスを入れて2回目で整える運用が品質を上げやすい、という示唆にもつながります(参照*2)。

おわりに(まとめとなる結言)

Grokは日本語で使えますが、得意なのはカジュアルな短文やSNS寄りの作業で、長文や専門分野、翻訳・要約は指示と確認が前提になります(参照*1)(参照*2)。

また日本では、画像改変がポルノ表現につながった事例が確認され、法令違反のおそれも指摘されています。社内導入では、使える範囲(文章のみ/画像も含む)と確認手順を決めたうえで試すと、スピードと安全性の両方を取りやすくなります(参照*3)。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

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