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はじめに
sora2は、文章で指示すると短い動画を作れるサービスとして知られていますが、アプリとしての体験も大きな特徴です。動画だけでなく音も一緒に作れたり、作った作品を見つけて遊べたりするため、触り方を先に知っておくと迷いにくくなります。
この記事では、sora2アプリで何ができるのか、どう始めるのか、基本操作、評価、安全面の注意点までを、できるだけかんたんな言葉で整理します。企業のDX担当者が社内導入を検討するときに気になる「料金」「運用負荷」「権利・セキュリティ」も、事実ベースで確認します。
sora2アプリの全体像

動画生成と音声生成
sora2アプリの中心は、文章の指示(プロンプト)から動画を作ることです。Mashableは、Sora 2を「自然言語のプロンプトに基づいて動画とそれに対応する音声を作成できる」モデルとアプリだと説明しています。(参照*1)
ここで押さえたいのは、映像と音がセットで出る点です。たとえば「雨の夜の街を走る車」「静かな森で鳥の声が聞こえる」など、場面を文章で書くと、映像だけでなく雰囲気に合う音まで含めて出力される設計です。編集に慣れていない人でも、効果音やBGMを別で探して合わせる手間を減らせます。
背景として、NBC NewsはSora 2を、2024年2月に登場したオリジナルのSoraを土台にした進化版として紹介し、写真のようにリアルな映像と音声生成能力を備えると整理しました。(参照*2)
数字で見ると話題性もつかめます。UC Berkeleyの学生メディアは、Sora 2が9月30日に公開され、iOSアプリがApp Storeの「Photo & Video」部門で首位になり、3日でダウンロード数が約56,000件に達したと伝えています。(参照*3)
社内利用の目線では、短い文章で「絵コンテに近い試作動画」をすぐ出せるため、企画のたたき台作りや、広告・採用・研修向けの短尺素材づくりの検討が進みやすくなります。一方で、生成物の権利や、社外公開のルール作りも同時に必要になります。
フィード機能とリミックス文化
sora2アプリは、作るだけでなく、作品を見つけて回れる作りも前提にしています。NBC Newsは、新しいSoraアプリを「AI生成の動画を共有・リミックス・発見できるソーシャルプラットフォーム」として紹介しました。(参照*2)
フィードは、短い動画が流れてくる一覧のような場所です。見ているうちに、気になった作品を元にして自分の作品を作りたくなる流れが生まれます。Spyglassは、アクセスするとスクロールしたものをリミックスしたくなるほど没頭できると書いています。(参照*4)
リミックスは、すでにある作品の良いところを残しつつ、文章の指示を足したり変えたりして別バージョンを作る遊び方です。たとえば「同じ構図で昼にする」「登場人物の服だけ変える」「カメラの動きをゆっくりにする」など、ゼロから考えるより始めやすくなります。
この仕組みは広がり方にも影響します。Sherwoodは、招待制で始まったにもかかわらず4日でiOS App Store全体のトップを獲得し、翌日には総ダウンロード数が100万を突破したと伝えました。(参照*5)
企業利用の観点では、フィードは「社内の作例集」に置き換えて考えると分かりやすいです。良い作例を見本にして、同じ型で量産する運用にすると、個人の腕に頼りにくくなります。ただし、公開フィードに社内情報が混ざると困るため、投稿範囲や共有設定の確認が前提になります。
インストールと利用開始

対応OSと提供地域
sora2アプリは、まずiOSから広がりました。Sherwoodは、9月下旬にiOSでローンチされたと説明しています。(参照*5)
その後、Androidでも使える流れが出ています。同じくSherwoodは、Android版が11月初旬に利用可能となったと伝えています。(参照*5)
地域については段階的です。ETCentricは、米国とカナダで利用可能だと整理しました。(参照*6)
一方で対象が広がったという報道もあります。Business Insiderは、米国・カナダ・日本・韓国では招待コードなしで利用可能になったと伝えています。(参照*7)
いま自分の国で使えるかは、App Store / Google Playの表示と、登録画面での案内を見て判断するのが確実です。OSのバージョンや端末の互換性も、ストア側の「互換性」表示で確認できます。アップデートは動作改善や安全対策に関わるため、自動更新の設定も合わせて見ておくと運用が安定しやすくなります。
招待制と料金体系
sora2アプリは、最初は招待制で始まったと報じられています。Mashableは、当時はiOS版のみ招待制で無料提供されていると説明しました。(参照*1)
招待制は、使える人を絞って混雑を抑えるやり方です。Sherwoodは、招待制から開始にも関わらず需要が高まり、招待コードの争奪戦が起きたと伝えています。(参照*5)
その後、招待が不要になった地域もあります。Business Insiderは、OpenAIが招待コードの制限を撤廃したと発表し、米国・カナダ・日本・韓国では招待コードなしで利用可能になったと書いています。(参照*7)
料金については、アプリとウェブで条件が分かれる場合があります。ETCentricは、招待が必要な有料版がsora.comでも提供されているとし、ChatGPT Proの加入者はオンライン限定で実験的で高品質なSora 2 Proモデルを利用できると説明しました。ChatGPT Proは、ChatGPTの上位プランの名前です。(参照*6)
企業での検討では、まず「無料枠でどこまで試せるか」「生成回数や待ち時間がどれくらいか」「部署ごとの課金管理が必要か」を整理すると判断しやすくなります。通知設定をオンにしておくと、申請の承認や生成完了が分かりやすく、作業が止まりにくくなります。
sora2アプリの基本的な使い方

プロンプト設計と生成設定
sora2アプリは、アプリをダウンロードし、テキストの指示で作成を開始します。Technology Channelは、その流れを「App Storeからアプリをダウンロードし、テキストプロンプトで作成を開始する」と説明しています。(参照*8)
文章の指示は、短くても動きますが、具体的に書くほど狙いに近づきます。Technology Channelは、具体的な動作や照明、雰囲気、スタイルを明示することが重要だと述べています。(参照*8)
たとえば「海辺」だけだと幅が広すぎます。「夕方の海辺で、風が強く、髪がなびく。手持ちカメラで少し揺れる。色は落ち着いた映画風」のように、動き、光、空気感、見た目の方向を足すと、迷いが減ります。
また、他の人の作品を見ることも、指示づくりの近道です。Uptodownは、他のユーザーの取り組みを確認し、アイデアを言い換えることも可能だと説明しています。(参照*9)
業務で使う場合は、プロンプトを個人のメモで終わらせず、チームの共通テンプレートにすると再現しやすくなります。たとえば「目的(何の動画か)」「画面の中の要素」「NG(出してはいけないもの)」を短い文で固定し、案件ごとに一部だけ差し替えると、PoCで終わりにくくなります。
Cameos設定と本人確認
Cameosは、自分の見た目を動画に登場させるための機能です。Uptodownは、プロフィールページからCameosに入り、自分の外見と声を録音して、作成するシーンの一部に登場させられると説明しています。(参照*9)
本人確認に近い手順が入ることがあります。Hung Truong氏のブログは、Cameoを使うには数字を言いながら自分を短い動画で録画してアップロードし、その後に動画内で自分をタグ付けすると書いています。(参照*10)
同じ記事で、声のクローン作成のために音声データを取得することもあるようだとも述べています。(参照*10)声のクローンは、声の特徴をまねた音を作ることです。
さらに、誰が自分の見た目を使って動画を作れるかを設定する権限があるとも説明されています。(参照*10)
Cameosは、採用動画や社内発信で「本人が登場する短尺」を作りやすくする一方、社内の個人情報にも近い扱いになります。仕事用の運用では、登録する人を限定し、退職や担当替えのときに権限を外せるよう、ルールと連絡先を決めておくと管理しやすくなります。
リミックス手順と書き出し形式
リミックスは、フィードで見つけた作品を元にして、指示を変えて別バージョンを作る流れです。Uptodownは、他のユーザーの取り組みを確認し、アイデアを言い換えることも可能だと説明しています。(参照*9)まずは、気に入った作品のどこを変えたいかを1つに絞ると、変化が分かりやすくなります。
書き出しや時間の指定には制限が出ることがあります。OpenAI Communityの投稿では、4、8、12秒以外のリクエストは検証エラーになると整理されています。(参照*11)
長い動画にしたいときは、短い動画をつなげる発想になります。同じ投稿は、動画を結合する場合はMP4ストリームをデマuxして再結合するツールを使い、単純にPremiereに読み込ませて再エンコードするのではなく、損失なく連結する方法を推奨し、AVIDemuxなどのツールに言及しています。Premiereは動画編集ソフト、再エンコードは書き出し直し、デマuxは映像と音のデータを分けて扱うことです。(参照*11)
業務用途では、まず4、8、12秒の短尺で「伝えたい要点が伝わるか」を検証し、OKになった型だけを増やすと、作り直しが減りやすくなります。書き出した動画は、社内の保存場所を決めてバックアップし、編集や共有の履歴が追える形で管理すると安心です。
sora2アプリの評価と向き不向き

操作性と視聴体験
sora2アプリは、作る体験と見る体験が近い距離にあります。Spyglassは、アクセスするとスクロールしたものをリミックスしたくなるほど没頭できると書いています。(参照*4)見ている流れで試作を回す人には合いやすい設計です。
一方で、混雑や不安定さが出る時期もありました。Mashableは、初期の利用者には負荷が高いというエラーメッセージが頻繁に出ることがあり、クレジットの消費を完了するのが難しい場合もあると伝えています。クレジットは、生成に使う回数券のような扱いです。(参照*1)
利用の勢いには波があります。Sherwoodは、iOS版が10月末までに約270万回、11月に190万回、12月に150万回の月間総計になったと伝えています。(参照*5)利用者が多い時間帯は重く感じる可能性があります。
向いているのは、短い動画を何本も試して、良いものを残す作り方です。逆に、1本を長く作って細かく仕上げたい人は、外部の編集作業も前提にすると進めやすくなります。企業のPoCでは、最初から長尺を狙うより、短尺でKPI(作成時間、修正回数、社内レビューの通過率など)を置いた方が成果を説明しやすくなります。
拡散導線とコミュニティ動向
sora2は、作品が人づてに広がるだけでなく、アプリ内の仕組みで見つけられる設計です。NBC Newsは、共有・リミックス・発見ができるソーシャルプラットフォームだと紹介しています。(参照*2)
ダウンロードの規模を他サービスと比べると立ち位置が見えます。Sherwoodは、比較としてTikTokが12月に世界で1800万回、YouTubeが500万回のダウンロードを記録していると伝えています。(参照*5)sora2は巨大SNSと同じ形で競うというより、「生成して試す」色が強いと整理すると理解しやすくなります。
また、フォローの増え方が独特だという観察もあります。AI Stackは、完全に活動していなくてもフォロワーが数百人ずつ増え続ける現象が観察され、これはsora2のCameos機能によるものだと説明しています。(参照*12)
熱量が続くかどうかは用途次第です。Business Insiderは、招待コードなしで利用可能になった一方で、周囲で登録を試みた人は少なく、初期に動画を作っていた友人も多くがやめていると伝えています。(参照*7)
企業での活用を考えるなら、流行に乗ることより、目的を先に決める方が運用がぶれにくくなります。たとえば「展示会の告知を短尺で週1本」「社内研修の導入動画を部署ごとに作る」のように、回す単位と承認の流れを決めておくと、作ったまま放置になりにくくなります。
安全対策と注意点

透かしと出所メタデータ
sora2で作った動画には、作られ方が分かる印が入る設計です。NBC Newsは、Soraで生成されたすべての動画には透かしとメタデータが付与され、AIで作成されたことを明示すると説明しています。(参照*2)透かしは画面上の印、メタデータはファイルに付く情報です。
この仕組みは、見た人が誤解しにくくするために役立ちます。ただし、透かしがあることと、危ない動画が出回らないことは別です。Safe AI for Childrenは、公開後の第一週で深層偽造動画が作成され、故人の公人や有名人を暴力的・不敬な状況で描くケースが現れたと説明しています。(参照*13)深層偽造は、本物に見える偽物の動画のことです。
また、Ekōは、サインアップ後数分で反ユダヤ主義的、差別的、暴力的内容の推奨が現れたと報告し、ティーンアカウントによって生成された22本の有害動画の例も挙げています。(参照*14)
社内利用では、動画を外に出す前に「AI生成である表示」「事実確認」「関係者の同意」をチェックする流れが必要になります。広報・法務・情報システムの役割分担を決め、通報や削除の窓口も用意しておくと、事故対応が早くなります。
肖像権と同意管理
人の顔や姿を勝手に使うと、肖像権の問題になりやすいです。sora2ではCameosのように本人の見た目を使えるため、同意の管理が重要になります。NBC Newsは、肖像は本人の同意がある場合のみCameoに使用でき、同意はいつでも撤回可能だと説明しています。(参照*2)
同意を取っているつもりでも、運用は難しくなりがちです。Safe AI for Childrenは、肖像の無断利用を防ぐ難しさが示されていると整理しています。(参照*13)友だち同士の遊びでも、あとで気持ちが変わることがあります。
法整備の動きもあります。NPRは、Creative Artists AgencyやSAG-AFTRAが警告を出し、俳優や出演者のデジタル複製の同意を求める法に似た「NO FAKES Act」の連邦版を目指す動きがあると伝えています。(参照*15)SAG-AFTRAは俳優などの労働組合です。
設定で「誰が自分の見た目を使えるか」を決められる場合は、仕事用は範囲を絞っておくと管理しやすくなります。社内のルールとしては、同意の取得方法(書面・チャット記録など)と、撤回があったときの停止手順を決めておくと説明がしやすくなります。
著作権と青少年保護
著作権は、音楽や映像、キャラクターなど「作った人の権利」を守る仕組みです。Stanford Law Schoolは、The Wall Street Journalが「新しいSoraは、著作権者が作品の登場を許さない設定をしない限り、著作権のある素材を含む動画を作れる」と報じたと紹介しています。(参照*16)
同じ記事で、スタンフォード大学の法学教授Mark Lemley氏は、特定のケースでは訴訟リスクを高めると警告したと伝えています。(参照*16)Mashableも、Soraは創作の自由度が高い一方で著作権やIPの扱いには注意が必要で、OpenAI側は著作権問題の申し立てに対応するフォームを用意しているが、IP保持者の全面的なオプトアウトは用意されていないと伝えています。IPは作品やブランドなどの権利の総称です。(参照*1)
青少年の利用についても、仕組みと現実の両方を知っておく必要があります。NBC Newsは、Soraのteenアカウントは保護者による管理と利用時間制限の対象になると説明しています。(参照*2)
一方で、リスクの報告もあります。Ekōは、ティーンアカウントによって生成された22本の有害動画の例を挙げています。(参照*14)Safe AI for Childrenも、著作権を侵害する動画やブランドの無断使用が相次ぎ、現行の規制を回避する動きが見られると整理しています。(参照*13)
安全に使うために、最低限ここは押さえてください。
- 有名な作品名やキャラクター名、ブランド名をそのまま指示に入れない
- 他人の顔や声を使う動画は、本人の同意が確認できる範囲に限る
- 未成年が使う場合は、保護者の管理設定と利用時間制限を前提にする
企業での実務では、これに加えて「社外に出す前のチェック担当」「素材の保管場所(クラウドや社内ストレージ)」「削除依頼が来たときの窓口」を決めておくと、セキュリティと説明責任の両方を満たしやすくなります。
おわりに
sora2アプリは、文章から動画と音を作り、フィードで見つけた作品をリミックスして広げられるのが大きな特徴です。対応端末や提供地域、招待制の有無、料金の考え方を押さえると、導入判断の迷いを減らせます。
一方で、Cameosの同意管理、透かしとメタデータ、著作権、青少年保護など、使う前に確認したい注意点もあります。企業のDXとして試す場合は、短い秒数で目的に合うかを検証し、プロンプトのテンプレート、共有範囲、チェック体制をセットで整えると、実運用につなげやすくなります。
監修者
安達裕哉(あだち ゆうや)
デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))
参照
- (*1) https://www.mashable.com/article/sora-2-first-impressions
- (*2) NBC News – ChatGPT parent company OpenAI announces Sora 2 with AI video app
- (*3) Business Review at Berkeley – UC Berkeley's Leading Undergraduate Business Journal – How OpenAI’s AI-Only Social App is Redefining Short-Form Video
- (*4) Spyglass – Sora Soars
- (*5) Sherwood News – OpenAI’s Sora 2 started off scorching hot. Things have slowed down since.
- (*6) ETCentric – OpenAI Sora 2 Vid Generator Has Sound and Social Features
- (*7) Business Insider – I Was Sora 2's Biggest Fan. Now I'm Over It.
- (*8) Everything You Need To Understand About Sora 2
- (*9) Uptodown – Sora by OpenAI for Android
- (*10) Hung Truong: The Blog! – First Impressions of OpenAI's Sora 2 + App
- (*11) OpenAI Developer Community – How to merge Sora2 videos
- (*12) IINFINITIX – Sora 2 App In-Depth Review: 4 Mind-Blowing Discoveries That Changed Everything – INFINITIX
- (*13) The Safe AI For Children Alliance – Sora 2 and AI-Generated Video: An Initial Briefing for Schools and Parents
- (*14) OpenAI’s Sora 2 exposes teens to violent, racist, and harmful content — despite promises of “multiple layers of safeguards”
- (*15) NPR – Hollywood pushes OpenAI for consent
- (*16) Stanford Law School – OpenAI launches Sora 2, an AI video app to rival TikTok and YouTube Shorts