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はじめに
Copilotの料金を調べると、「無料」と「月額課金」の情報が同時に出てきて混乱しがちです。理由は、Copilotが1つの製品名ではなく、用途ごとに複数の種類があり、料金の決まり方も違うためです。
この記事では、Copilotの種類を整理したうえで、プラン別の価格と、契約前に見落としやすい条件や追加コストまで、順番にわかりやすく解説します。企業のDX推進担当者が、社内説明や見積もりのたたき台に使える情報を中心にまとめます。
Copilotの種類と料金が変わるポイント

Copilotは「何に使うAIか」で、料金だけでなく、使える場所(Webか、Microsoft 365アプリ内か)や、扱えるデータの範囲も変わります。まずは名前の似たサービスを整理しておくと、比較の前提がそろいます。
Copilotブランドの全体像
Copilotは、Microsoftが提供する生成系AIサービス群のブランド名として使われています。Cal State LAは、Copilotが「Microsoftの生成系AIサービスのスイート」であり、組織のライセンスによって一部は限定的に使え、別のものは追加ライセンスが必要になると整理しています。(参照*1)
同じ「Copilot」という名前でも、無料で使える範囲と、追加料金が必要な範囲が混在します。料金を確認するときは、まず自分が使いたいCopilotが「どの種類か」を切り分けることが出発点になります。
用途別の選び方
用途で見ると、Copilotは大きく2つに分かれます。1つは、ウェブ上の情報を使って質問に答えるタイプ、もう1つは、会社や学校のMicrosoft 365アプリの中で、仕事のデータも使って支援するタイプです。
NU(ネブラスカ大学のサポート窓口)は、Copilot ChatがGPT-4oとBing検索を使う日常的なAIパートナーで、Microsoft Graph(Outlook、Teams、OneDrive、SharePointなど)のデータにはアクセスせず、ウェブ上の公開情報と入力した内容だけを使うと説明しています。(参照*2)
一方でMicrosoft 365 Copilotは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsなどのMicrosoft 365アプリと連携し、組織内の保護されたデータも活用する前提で説明されています。(参照*2)
この違いは料金にも直結します。ウェブ中心のCopilotは無料で提供されることがありますが、仕事のデータとアプリに深く入るCopilotは、追加ライセンスとして課金される形になりやすいです。
Copilotの料金体系とプラン別価格

Copilotの「月額」「年額」は、プラン単体の金額だけでなく、前提ライセンスの有無や、年契約前提かどうかで見え方が変わります。ここでは、よく比較される3つのプランを、価格とできることのセットで整理します。
無料版Copilot Chatの料金
無料で使えるCopilotとしてよく挙がるのが、Copilot Chatです。UCOP(University of California Office of the PresidentのIT部門)は、Microsoft Copilot Chat(Web)が、Edgeブラウザを使うかCopilot Chatのウェブページにアクセスすることで、スタッフに無料で提供されていると説明しています。(参照*3)
ただし、無料かどうかは「誰でも常に無料」という意味ではなく、組織の契約や提供条件に左右されます。UCOPの説明でも「現在のMicrosoftライセンスに含まれ」と整理されており、環境によっては同じように無料で使える場合と、使えない場合が出ます。(参照*3)
無料版は性能面の上限も意識が必要です。フロリダ大学の図書館サイトは、無料CopilotはGPT-4oにアクセスできる一方で、混雑時には下位のモデルに切り替わる可能性があると整理しています。(参照*4)
画像生成の回数制限も、無料と有料で差が出ます。同サイトによると、無料版は画像生成のブーストが1日15回で、Copilot Proは1日100回の作成・編集・リサイズが可能です。(参照*4)
また、社内での利用では「入れてよい情報」の線引きも料金と同じくらい大切です。スタンフォード大学の案内では、無料のMicrosoft Copilot Chatは低〜中リスクデータのみで承認され、高リスクデータは入力しないよう注意が書かれています。(参照*5)
無料で足りるかを判断するときは、料金だけでなく、混雑時の安定性、画像生成などの上限、社内ルール上どこまでのデータを扱えるかを一緒に確認すると迷いにくいです。
Copilot Proの料金
Copilot Proは、個人向けの有料プランとして紹介されることが多いです。Knowleful.aiは、Copilot Proを$20/月として整理し、Officeアプリ内でのCopilot利用、優先アクセス権、クリエイター向け機能が含まれると説明しています。(参照*6)
月額$20という数字を基準に考えると、無料版との違いは主に2点です。1つは、混雑時でも優先的に使えるなど、体感の安定性が上がることです。もう1つは、作業量が多い人向けに上限が引き上がることです。フロリダ大学の図書館サイトは、Copilot ProがGPT-4およびGPT-4 Turboへ優先アクセスでき、需要が高い時でも安定したパフォーマンスを提供すると整理しています。(参照*4)
画像生成の回数も差がはっきり出ます。同サイトによると、無料版は1日15回のブーストに対して、Copilot Proは1日100回の作成・編集・リサイズが可能です。(参照*4)
注意点として、Copilot ProだけでMicrosoft 365アプリを使えるわけではありません。フロリダ大学の図書館サイトは、デスクトップ版の連携はMicrosoft 365 PersonalまたはFamilyの別契約がある場合に利用できる、と整理しています。(参照*4)
たとえば、資料用の画像を毎日作り直す人や、混雑時間帯に使うことが多い人は、月額課金で待ち時間を減らせる可能性があります。一方で、調べものや下書きが中心なら、無料版の範囲で足りることもあります。
Microsoft 365 Copilotの料金
Microsoft 365 Copilotは、会社や学校のMicrosoft 365アプリの中で使うことを前提にしたプランです。Ruby Docの比較記事は、Microsoft 365 Copilotライセンスが1ユーザーあたり$30/月で請求され、Microsoft 365 E3/E5の購読が必要だと整理しています。(参照*7)
また、Cal State LAはCopilot for Microsoft 365のライセンス費用を、2024年2月時点で1ユーザーあたり年間360ドルと示しています。(参照*1)
ここで見落としやすいのは、$30/月が単体で完結しないケースがある点です。Datastudios.orgは、年額前提で月額請求という前提で、1ユーザーあたりの例として、Microsoft 365 E3+Copilotアドオンが合計$63.75、Microsoft 365 E5+Copilotアドオンが合計$84.75と示しています。(参照*8)
そのため、見積もりでは「Copilot分の$30/月」だけでなく、前提となるMicrosoft 365の契約と合算して、1ユーザーあたりの総額で比べる必要があります。人数が増えるほど差が大きくなるため、対象ユーザー数とあわせて計算すると、社内説明がしやすくなります。
契約前に確認したい条件と追加コスト

料金表どおりに契約できるとは限らず、前提ライセンス、申請手順、更新条件で総額と運用負荷が変わります。ここでは「買えるかどうか」「いつから課金が始まるか」で詰まりやすい点を整理します。
前提ライセンスと契約形態
Microsoft 365 Copilotは、追加料金が必要な任意サービスとして扱われることがあります。NU(ネブラスカ大学のサポート窓口)は、Microsoft 365 Copilotが追加のライセンス費用がかかり、NUのMicrosoft 365 A5ライセンスには含まれていないと説明しています。(参照*2)
このように、同じMicrosoft 365を使っていても、契約の種類によってCopilotが含まれるかどうかは変わります。自社や自組織の契約がどれか分からない場合は、管理部門や情報システム部門に「前提ライセンス」と「Copilotが追加契約か」を確認すると、見積もりが現実的になります。
購入手順と承認フロー
法人や組織でMicrosoft 365 Copilotを導入する場合、個人のクレジットカード決済のようにすぐ買えるとは限りません。UCOPのIT部門は、Microsoft Copilot M365のライセンス取得にあたり、マネージャーに部門負担を確認し、Service-NowでSoftware Request Formを提出し、COAを含めるよう案内しています。(参照*3)
この手順があると、導入の開始日が「買うと決めた日」ではなく「承認が下りた日」になりやすいです。月額課金の開始タイミングや、対象ユーザーの追加・削除の運用にも影響するため、申請から付与までの流れを先に確認しておくと、社内調整の手戻りを減らせます。
自動更新と解約の注意点
料金で見落としやすいのが、自動更新と解約の扱いです。ClassAction.orgは、2024年10月31日頃に、次回自動更新時からMicrosoft 365 PersonalまたはFamilyの契約が料金改定の対象となり、Copilot AIが自動的に組み込まれることが告知されたと伝えています。(参照*9)
同記事は、AI統合を望まない、料金改定を回避したい利用者が解約しかないと感じることがあった一方で、解約手続きの途中でAIなしの低価格版(クラシックプラン)に更新を継続する道を知るケースもあったと指摘しています。(参照*9)
個人契約でも法人契約でも、更新前に「次回の請求がいくらになるか」「Copilotが自動で含まれるか」「ダウングレードや解約の手順が用意されているか」を確認しておくと、想定外の出費を避けやすくなります。
関連サービスの料金と見積もりの考え方

Copilotの導入費用は、ライセンス料金だけで終わらないことがあります。追加機能の従量課金、別製品の契約、導入支援サービス費が重なると、予算が膨らみやすいです。ここでは見積もりの論点を2つに絞って整理します。
Copilot Studioの料金体系
Copilot Studioは、用途によっては別料金として扱われます。Cal State LAは、2024年2月時点の料金として、25,000メッセージにつき月額$200.00と示しています。(参照*1)
一方で、NU(ネブラスカ大学のサポート窓口)は、Copilot StudioがMicrosoft 365 Copilotライセンスに含まれると説明しています。(参照*2)
この2つの情報から分かるのは、Copilot Studioの費用は「必ず別料金」とも「必ず込み」とも言い切れず、契約の前提や提供形態で変わり得る点です。見積もりでは、Copilot Studioを使う予定があるなら、「自社契約で利用対象に含まれるか」「含まれない場合にメッセージ課金が発生するか」を分けて確認すると整理しやすいです。
GitHub Copilotなど別製品の料金
Copilotという名前は、Microsoft 365向けだけでなく、開発者向けのGitHub Copilot(GitHubが提供するコード作成支援)などにも使われます。Ruby Docの比較記事は、GitHub Copilotの個人プランが$10/月または$100/年、ビジネスプランが$19/ユーザー/月で、30日間の無料トライアルがあると整理しています。(参照*7)
同記事はあわせて、Microsoft 365 Copilotが1ユーザーあたり$30/月で請求され、無料トライアルはないと述べています。(参照*7)
同じCopilotでも「何の作業を助けるCopilotか」で料金も試用の有無も変わります。社内で導入を検討するときは、議事録作成や資料作成の支援なのか、プログラム作成の支援なのかを先に決めると、比較する料金表がぶれにくいです。
また、ライセンス以外に導入支援費が発生するケースもあります。デル・テクノロジーズ株式会社は、Microsoft 365 Copilot関連サービスとして「Microsoft 365 Copilot アドバイザリーサービス」1,500,000円~(約1か月)、「ワークフォースペルソナアセスメントサービス for Microsoft 365 & Copilot」5,000,000円~(最低2か月~)の目安を示しています。(参照*10)
社内の利用部門が広い場合は、ライセンス費に加えて、要件整理や教育の費用も含めた総額で予算化すると、後から説明がしやすくなります。
Copilot+ PCの価格と「Copilot料金」の混同注意

「Copilot料金」で検索すると、月額プランではなく、Copilot+ PCというパソコンの価格情報が出てくることがあります。ここは混同しやすいので、違いをはっきり分けます。
Copilot+ PCの要件と価格帯
Copilot+ PCは、Copilotの月額料金プランとは別物で、パソコン本体の区分です。the比較は、Copilot+ PCの要件として、40 TOPS以上のNPU性能、16GB以上のメモリ、256GB以上のSSDを挙げています。(参照*11)
価格の例として、PR TIMESはHP OmniBOOK Ultra Flip 14-fhの実勢価格が26万9800円だと紹介しています。(参照*12)
また、PR TIMESはLenovoのThinkCentre neo 55a 24 All-In-One Gen 6が233,200円(税込)からで、発売日が2025年7月23日だと伝えています。(参照*13)
Copilotの料金を調べているつもりが、Copilot+ PCの本体価格を見ていた、という行き違いは起きやすいです。月額課金の話なのか、端末購入の話なのかを、見出しや商品名で切り分けて確認すると混乱を減らせます。
購入特典と有効化期限
Copilot+ PCの購入では、Microsoft 365の利用権がセットで案内されることがあり、ここでも期限条件が出てきます。Microsoft公式ストアのSurface Laptop (13インチ)の案内は、Windowsのライセンス認証後6か月以内にMicrosoft 365の有効化を行わなかった場合、Microsoft 365 Personal(24か月版)およびOffice Home & Business 2024(永続版)の利用権限は失効すると説明しています。(参照*14)
同ページは、Microsoft 365 Personalを利用する場合、25か月目以降は自動更新され料金が発生し、継続を希望しない場合はMicrosoftアカウントでキャンセルするよう案内しています。(参照*14)
端末の購入特典はお得に見えますが、いつ有効化するか、いつから課金が始まるかで体感のコストが変わります。端末とライセンスを同時に検討する場合は、特典の有効化期限と自動更新の条件を日付まで含めて確認しておくと、追加出費を避けやすくなります。
おわりに
Copilotの料金は、無料のCopilot Chat、月額$20のCopilot Pro、1ユーザーあたり月額$30が目安になりやすいMicrosoft 365 Copilotなど、種類によって大きく変わります。さらに、前提となるMicrosoft 365の契約、更新・解約の条件、Copilot Studioの扱い、導入支援費の有無で、実際の支払いは変動します。
社内で失敗しにくい進め方としては、「どのCopilotを何の業務で使うか」を決めたうえで、「前提ライセンス込みの総額」と「更新条件」「扱えるデータの範囲」をそろえて比較する形が、説明と稟議に強い整理になります。
監修者
安達裕哉(あだち ゆうや)
デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))
参照
- (*1) Microsoft Copilot and AI Services
- (*2) University of Nebraska – Services – Microsoft 365 Copilot
- (*3) Microsoft Copilot M365
- (*4) Free Microsoft Copilot Account
- (*5) Microsoft Copilot Chat
- (*6) 法人向け生成AIチャットのナレフルチャット | 法人向けChatGPT・クローズド生成AIチャットサービス – うさぎでもわかるChatGPTとMicrosoft Copilotの違いとは?実践した比較結果を解説!
- (*7) Ruby-Doc.org – GitHub Copilot vs Microsoft Copilot: A Detailed Comparison
- (*8) Data Studios ‧Exafin – Microsoft Copilot pricing tiers: Microsoft 365 plans, Business vs Enterprise
- (*9) Microsoft 365 Deceptive Pricing Arbitration
- (*10) プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES – デル・テクノロジーズ、Copilot+ PCの実力を最大限に引き出す2つの新サービスを提供開始
- (*11) the比較 – おすすめのCopilot+ PCのノートパソコン 2025年8月版
- (*12) プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES – 【モバイルノートPCランキング】春の新生活に向けて買うべき一台は? 注目のAI対応PCの中から高性能かつ欠点ナシの名品を発掘!
- (*13) プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES – レノボ、ビジネス向け省スペースデスクトップPC「ThinkCentre neo」シリーズ3製品を発表
- (*14) Microsoft Store – Windows 搭載 Copilot+ PC の 13 インチ Surface Laptop (Snapdragon) を購入する