Grokの履歴削除はどうやる?プライバシー保護の完全手順

2026.02.19

WorkWonders

Grokの履歴削除はどうやる?プライバシー保護の完全手順

はじめに

Grokは、質問や相談を気軽にできる一方で、会話の中に個人情報や仕事の情報が混ざりやすいサービスです。そのため「履歴削除」を正しく理解し、必要なときに迷わず消せる状態にしておくと、社内利用でも不安を減らせます。

この記事では、Grokの履歴が何を指すのかを整理したうえで、Grok.comやGrokアプリでの削除手順、プライベートチャットモードの使い分け、削除が反映されるまでの時間や例外までを、順番に解説します。

Grokの履歴と削除の基本

Grokの履歴と削除の基本

Grokの「履歴削除」を正しく行うには、Grokがどんな形で会話を覚えるのかを分けて理解する必要があります。ここがあいまいなままだと、「消したのに残っている気がする」「消せない範囲まで消せるはず」といった誤解が起きやすくなります。

会話履歴とセッションメモリの違い

Grokの会話には、大きく分けて2つの「覚え方」があります。1つは、いま開いているチャットの中でだけ効く一時的な記憶です。もう1つは、あとから見返せるように保存される会話履歴です。

DataStudios.orgは、Grok AIのメモリ保持が「現在の状態」と「製品履歴」の2層構造だと整理し、セッションメモリ(現在のチャット内で有効な文脈)と、会話履歴として保存されるメモリの2つをサポートすると説明しています。さらに、セッションメモリは一時的で、現在の文脈に収まる範囲に限定されると述べています。(参照*1

履歴削除で主に対象になるのは「保存される会話履歴」です。一方で、セッションメモリはその場の会話を成立させるためのもので、チャットを閉じたり時間がたったりすると、同じ形では残り続けません。消したい対象が「見返せる履歴」なのか、「いまの会話の流れ」なのかを先に切り分けると、操作ミスを減らせます。

履歴削除で守れる範囲と守れない範囲

履歴削除は、まず「自分の画面で見える会話を消す」ことに効きます。ただし、削除という言葉から「完全に消えて、どこにも残らない」と想像しやすい点には注意が必要です。

arXivのページは、削除に関する研究の参考文献リストとして、MurilloらのSOUPS 2018「If I press delete, it’s gone: Data Deletion and Expiration」、SchnitzlerらのJournal of Cybersecurity 2020「Perceptions of Deletion in Mobile Messaging」、JacobsenのSociological Research Online 2022「You can’t delete a memory」などを挙げています。(参照*2

削除は、画面表示の削除と、サービス側での処理(バックアップや不正対策、法令対応などを含む)に分かれる場合があります。したがって、履歴削除で守れる範囲は主に「自分の利用画面に残る情報」や「サービスが定める削除処理の範囲」です。一方、守れない可能性があるのは「法令や規則対応で一定期間保持されるケース」や「別の場所にコピーされた情報」などです。

Grokの履歴削除の完全手順

Grokの履歴削除の完全手順

ここからは、Grokで履歴を消すための具体的な手順を、使う場所ごとに分けて説明します。Grokは利用経路が複数あり、同じ「Grok」でも削除の考え方が変わる場面があるためです。

Grok.comとGrokアプリの削除手順

Grok.comとGrokアプリでは、基本として「会話履歴」を開き、消したい会話を選んで削除します。画面の文言は更新で変わることがありますが、「履歴を開く」→「対象を選ぶ」→「削除(またはクリア)」の順で考えると迷いにくくなります。

DataStudios.orgは、Grok.comおよびGrokアプリで、ユーザーが会話履歴を確認、削除、クリアできると説明しています。(参照*1

運用面では、まず1件削除で意図した会話が消えるかを確認し、端末の共有や引き継ぎ前など「まとめて消す理由」があるときだけ、クリア(全消去)を使うと、必要な会話まで消すリスクを減らせます。

削除後は、履歴一覧に戻って同じ会話が表示されないことを確認してください。表示が残る場合は、通信状況や表示更新の遅れもあり得るため、画面の再読み込みやアプリの再起動で切り分けると確認しやすくなります。

プライベートチャットモードの使い分け

履歴を「消す」だけでなく、そもそも「履歴に出さない」使い方も有効です。たとえば、共有端末での一時利用や、個人情報に触れそうな相談は、履歴が残る前提で進めると後処理が増えます。

DataStudios.orgは、プライベートチャットモードでは会話が履歴に表示されず、xAIシステム内で30日以内に削除されると説明しています。(参照*1

使い分けはシンプルです。履歴に残したくない会話は、最初からプライベートチャットモードで始めます。逆に、あとで見返す前提の作業メモや、同じ相談を続ける会話は、通常のチャットで行います。途中で切り替えるより、開始時点で決めるほうがミスを減らせます。

なお、プライベートチャットモードは「履歴に表示されない」ことが中心です。入力内容の扱いが完全にゼロになると断定はできないため、削除処理の時間や例外も合わせて理解しておくと、期待とのズレが小さくなります。

X内Grokと未ログイン利用の扱い

Grokは、Grok.comや専用アプリだけでなく、X(旧Twitter)内で使う場面もあります。この場合、同じGrokでも「どのサービスのルールで保持されるか」が変わり得る点がポイントです。

DataStudios.orgは、ログインせずにGrokを使う場合、セッション終了後は永続的な履歴は保持されないと説明しています。また、X内のGrokを利用するときは、保持とプライバシーがXのポリシーに従い、xAIの製品規則とは異なる場合があると述べています。(参照*1

実務で押さえる点は2つです。1つ目は、未ログイン利用は「セッションが終われば永続的な履歴が残らない」という性質を前提に、共有環境などでの一時利用に向くことです。2つ目は、X内GrokはX側の方針が関わるため、Grok.comやGrokアプリと同じ感覚で履歴削除を考えないことです。

同じ内容を入力しても、使った入口によって「履歴としてどこに残るか」「どの画面で消すのか」が変わります。まず自分が使った入口を特定してから削除操作に進むと、消し残しを避けやすくなります。

削除が反映されるまでの時間と例外

削除が反映されるまでの時間と例外

履歴削除は、押した瞬間にすべてが完全消去されるとは限りません。表示上はすぐ消えても、サービス側の処理としては時間がかかる場合があります。いつまでに消える目安があるのか、どんな例外があるのかを知っておくと、社内説明もしやすくなります。

30日以内の削除処理と法的例外

Grokの削除処理には、目安となる時間が示されています。削除後の確認や社内ルール作りでは、この目安が基準になります。

DataStudios.orgは、Grok.comおよびGrokアプリでの削除リクエストが通常30日以内に処理され、法的・コンプライアンス上の例外があると説明しています。また、プライベートチャットモードでもxAIシステム内で30日以内に削除されると述べています。(参照*1

ここで押さえる数字は30日です。削除操作の直後に履歴一覧から消えて見えても、サービス側の処理としては30日以内に進む、という時間差があり得ます。

また「法的・コンプライアンス上の例外」は、法律対応や規則対応のために、条件によっては一定期間の保持が必要になる場合がある、という意味合いです。削除を急ぐ事情があるときほど、画面表示だけで判断せず、処理期間の目安も前提に置くと判断しやすくなります。

ユーザーの期待と削除の認知ギャップ

削除に関するトラブルの多くは、操作ミスよりも「削除という言葉から想像する状態」と「実際の処理」のズレから起きます。たとえば、画面から消えたので完全に消えたと思い込む一方で、サービス側では一定期間の処理が残る、というズレです。

arXivのページは、削除に関する認知や期待を扱う研究の参考文献として、Murilloら(2018)、Schnitzlerら(2020)、Jacobsen(2022)などを挙げています。(参照*2

削除の理解は、技術の問題だけでなく、利用者の理解の問題でもあります。Grokで履歴削除をするときは、次の2段階で考えると整理しやすくなります。

  • 見える履歴が消えたか(自分の画面での確認)
  • サービス側の削除処理に期間があるか(通常30日以内などの目安)

この2段階を前提にすると、削除直後に不安になって同じ操作を繰り返す行動を減らせます。逆に、すぐに完全消去されるはずだと決めつけると、共有端末の利用や機密情報の入力判断でミスが起きやすくなります。

履歴を残さないためのプライバシー設定と運用

履歴を残さないためのプライバシー設定と運用

履歴削除は有効ですが、毎回あとから消す運用だと手間も漏れも出ます。入力する情報を絞り、会話の進め方を工夫して、履歴に残って困る情報を最初から作らない発想もセットにすると、企業利用では管理がしやすくなります。

入力情報の最小化と機密情報の扱い

プライバシーを守るうえで効果が出やすい方法は、最初から入れないことです。名前や住所のような個人情報だけでなく、取引先名、社内の数字、未公開資料の内容なども、会話の流れで書きがちです。

AI Now Instituteは、AIの開発・展開においてデータ収集・トレーニング・適用・展開の各段階で責任の所在を明確にし、脆弱性を防ぐための規制を設定する、といった「ライフサイクル全体」を対象にした考え方を示しています。(参照*3

利用者側の運用に落とすと、入力は必要最小限にし、固有名詞や数字は置き換える形が現実的です。たとえば「A社」「B社」「今月の売上」などに言い換え、数字が必要なら桁を丸めたり範囲で表現したりして、特定されにくくします。

また、画像や文書の一部を貼り付けるときは、住所や社員番号が写り込むことがあります。送る前に、個人を特定できる情報が入っていないかを確認すると、履歴削除に頼り切らない運用になります。

長文会話とコンテキスト管理

長いやり取りは便利ですが、情報が積み重なるほど、どこに何を書いたかを追いにくくなります。その結果、消すべき会話を見落としたり、必要な会話まで消してしまったりしやすくなります。

DataStudios.orgは、会話長とコンテキスト処理の要点を、入力の分量、プライバシー設定、トークン予算の組み合わせとして整理し、トークンの使用状況を監視し、会話履歴を適切に管理し、データ保持と機密性の要件に合ったプライバシー設定を利用すると述べています。また、xAI APIのGrok 4は最大256,000トークン、Grok 4 FastおよびGrok 4.1 Fastは最大2,000,000トークンのウィンドウを提供すると説明しています。(参照*1

ここでいうトークンは、会話の文字量を数えるための単位だと捉えると十分です。長文になるほど、会話の流れを保つために多くの情報がやり取りされ、履歴として残る量も増えます。

運用としては、話題が変わるところで新しいチャットに分ける、機密に触れそうな話は最初からプライベートチャットモードにする、見返しが不要な下書きは短く要点だけにする、といった工夫が効きます。こうしておくと、削除が必要になったときも対象を特定しやすくなります。

画像生成などセンシティブ利用と削除の限界

画像生成などセンシティブ利用と削除の限界

画像生成や性的な内容、他人の写真を扱う話題は、履歴削除だけでは守り切れないリスクが出やすい領域です。入力や生成の時点で問題が起きると、あとから消しても影響が残るケースがあります。

投稿後削除回避と悪用事例

センシティブな内容は、いったん投稿や共有が起きると、削除しても追いつかないことがあります。画像は保存や再投稿が簡単で、広がる速度も速いためです。

Center for Information Resilience(CIR)は、1月9日に分析者がGrokを用いた子ども性愛素材の作成や、同意なしの大人向け露出コンテンツの投稿後削除を回避する別の方法を、わずか15分で特定したと報告しています。これらの手法は報告時点でも使用されており、CIRはXへ報告したと述べています。(参照*4

この事例は、履歴削除の前に「そもそも作らない・投稿しない」を判断する必要がある場面があることを示しています。自分の端末から履歴を消しても、投稿先や第三者側に残れば、削除の効果は限定的になります。

また、同意のない画像や、他人を傷つける可能性がある内容は、プライバシーの問題だけでなく、法律や規約の問題にもつながります。

Online Safety Actと各国規制の論点

センシティブな画像の扱いは、国によって法律の考え方が変わります。海外の規制は日本の利用者にも無関係ではなく、海外のサービスや海外の利用者が関わる場面では影響が出ることがあります。

CIRは、英国では2024年のOnline Safety ActがAI生成および同意のない親密な画像の共有を明確に犯罪と規定したと説明しています。さらに、これによりSexual Offenses Act(2003年の第66B条)も深層偽造の脅威に対応するよう改正されたと述べています。Online Safety Actは、性器・胸・臀部を露出させるAI生成画像を、透明・濡れ衣の衣類を含めて規制対象にすると整理しています。(参照*4

ここでの論点は、履歴削除とは別に「共有した時点で違法や規約違反になり得る」線引きがあることです。後で消せるかどうかより前に、作成や共有の行為そのものが問題になる場合があります。

日本国内でも、サービスの規約違反や、名誉毀損、プライバシー侵害など別の問題に発展する可能性があります。したがって、画像生成などのセンシティブ利用では、履歴削除を前提にせず、扱う題材と共有範囲を先に決めておくほうが判断がぶれにくくなります。

よくある質問

よくある質問

履歴削除後の復元可否と確認方法

履歴削除後に復元できるかどうかは、まず「どこで使ったGrokか」で変わります。Grok.comやGrokアプリで消した履歴は、少なくとも利用者の画面上では消えます。一方で、削除処理には時間がかかる場合があり、法的・コンプライアンス上の例外があり得る点も前提に置く必要があります。DataStudios.orgは、Grok.comおよびGrokアプリで削除リクエストが通常30日以内に処理され、法的・コンプライアンス上の例外があると説明しています。(参照*1

確認方法は、まず自分の画面での確認を行います。削除直後に履歴一覧へ戻り、対象の会話が表示されないことを見ます。表示が残る場合は、再読み込みやアプリ再起動で表示更新の遅れを切り分けます。

次に、X内Grokで使った可能性がある場合は、入口を取り違えていないかを確認してください。DataStudios.orgは、X内Grokの保持とプライバシーはXのポリシーに従い、xAIの製品規則とは異なる場合があると述べています。(参照*1

未ログインで使った場合については、DataStudios.orgが、セッション終了後は永続的な履歴は保持されないと説明しています。(参照*1

復元可否を一律に断定するよりも、どの入口で使ったか、削除処理の目安である30日以内という時間軸、そして例外があり得るという条件をセットで捉えるほうが、確認手順を作りやすくなります。

おわりに

Grokの履歴削除は、会話履歴とセッションメモリの違いを理解し、Grok.comやGrokアプリ、X内Grokなど利用経路ごとに操作とルールを切り替えることが要点です。加えて、削除が通常30日以内に処理されるという時間軸と、法的・規則上の例外があり得る点も前提に置くと、社内説明がしやすくなります。(参照*1

履歴削除は有効な手段ですが、入力情報を最小限にする、プライベートチャットモードを使い分ける、センシティブな画像は扱いを慎重にする、といった運用と組み合わせると、プライバシーとセキュリティの管理を進めやすくなります。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

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