話題のCometはなぜ注目?AIブラウザの魅力を解説

2026.01.05

WorkWonders

話題のCometはなぜ注目?AIブラウザの魅力を解説

はじめに

近年、人工知能(AI)技術の急速な進化により、ウェブブラウザの分野でも新たな動きが加速しています。従来のブラウザは主に検索やウェブページの表示が中心でしたが、AI機能を標準搭載した新しいブラウザが登場し、注目を集めています。中でも「Comet」は、AIネイティブブラウザとして大きな話題となっています。

本記事では、Cometとは何か、AIブラウザの基本像や機能、従来型ブラウザとの違い、実際の活用シーン、そしてセキュリティや法的・倫理的な論点まで、大学生や新社会人の方にも理解しやすいように解説します。専門用語はできるだけ分かりやすく説明し、現場で役立つ知見をお届けします。

Cometとは何か?AIネイティブブラウザの基本像

Cometとは何か?AIネイティブブラウザの基本像

Cometの開発企業と位置づけ

Cometは、AI回答エンジン「Perplexity」を展開するPerplexity AI, Inc.が開発した、世界初のAIネイティブブラウザです(参照*1)。Perplexityは、検索分野に特化した独自の推論エンジンを手がけてきた企業であり、Cometを日常的なブラウザとして提供することで、ユーザーのウェブ利用体験を大きく変えることを目指しています。2025年末には全ユーザーへの無料公開が発表され、専門領域だけでなく一般利用にも一気に普及が進みました(参照*2)。

当初は月額200ドルのMaxプランやProユーザー向けの限定リリースでしたが、最終的に無料で誰でも利用できるようになりました。さらに、有料コンテンツバンドル「Comet Plus」を追加し、出版社やメディアと連携したプレミアムコンテンツの提供も始まっています。こうした段階的な戦略転換により、Cometは高価格帯から幅広いユーザー層へと拡大し、今後のブラウザ市場に大きな影響を与える存在として注目されています。

AIネイティブブラウザの定義

従来のブラウザは、キーワード検索で情報を取得し、ユーザー自身がリンクをたどって必要な情報を探すのが一般的でした。一方、AIネイティブブラウザとは、検索や要約だけでなく、複数のウェブサイトを横断したデータ比較やタスクの自動実行など、ユーザーの行動全体をAIがサポートする仕組みを標準搭載したブラウザを指します(参照*3)。

例えば、ネットショッピングでは商品の検索から要約、価格比較、購入手続きまでをAIが一貫してサポートします。また、複数のウェブページを横断したリサーチやデータ集計も自動化されます。CometはこのAIネイティブブラウザの代表例であり、アシスタント機能やエージェント機能といった操作代行が大きな特徴です。従来の「検索+α」では実現できなかった、より高度な体験を提供しています。

Chromiumベースという設計

CometはGoogle Chromeなどと同じオープンソースのブラウザエンジン「Chromium」をベースに開発されています(参照*4)。Chromiumベースであることで、動作の安定性や拡張性が高く、Chrome拡張機能も幅広く利用できます。既存のエコシステムとの親和性が高い点も大きなメリットです。

さらにCometは、社内開発のAIモデル(SonarやR1など)に加え、外部の先進的な大規模言語モデル(GPT-5、GPT-4.1、Claude 4、Gemini Pro、Grok 4など)とも連携しています(参照*4)。これにより、ページ表示の裏側で複数のAIモデルが動的に連携し、ユーザーの指示や閲覧内容を総合的に処理します。AI機能がコアに内蔵されている点が、従来のブラウザとの大きな違いです。

従来ブラウザとの違いとAIブラウザの基本機能

従来ブラウザとの違いとAIブラウザの基本機能

従来型ブラウザとの比較軸

一般的なブラウザ(Safari、Firefox、Google Chromeなど)は、キーワード検索とウェブページの表示が主な機能です。ユーザーが明確にリンクをクリックして情報を探索するのが標準的な使い方でした。AIブラウザは、検索結果をAIが解析し、要約や提案、さらには予約や計画立案などの実務的なサポートまで行う点が特徴です(参照*3)。

従来型ブラウザでは情報収集と意思決定が分かれていましたが、AIブラウザでは情報取得から行動までがシームレスにつながります。例えばホテル予約サイトで条件が揃った瞬間に自動で候補を提示するなど、エージェントがユーザーの手間を大幅に減らします(参照*2)。

生成AIブラウザの共通機能

生成AIブラウザには、対話形式で回答を得る自然言語検索機能や、ページ内や複数タブの情報を瞬時に要約する機能が搭載されています。例えばMicrosoft EdgeのCopilotは、WordやExcelと連携し自動でタブ整理や文書読み上げを行います。Google ChromeのGeminiは、Google Lensや対話型エージェントを通じて、複雑な検索を深い文脈理解のもとで実現します(参照*3)。

BraveのLeoは、ウェブページやPDF、動画などのコンテンツを多目的に要約したり、文章生成を行う機能を提供しています。Operaも独自のAI強化ブラウザを研究中で、将来的なエージェント機能の拡張を計画しています。これらのAIブラウザは、情報の表示にとどまらず、タスク自動化や文脈把握を通じて高度なアシスタントとして機能することを目指しています。

CometにおけるAIブラウザ体験

Cometは、生成AIブラウザの中でも特にエージェント機能が多彩で、Web操作自体をAIに委任できる点が特徴です。例えば、特定のニュースサイトに移動したり、記事内のリンクを開く操作も指示一つで自動実行できます(参照*5)。また、閲覧中のページ内容をリアルタイムで要約し、参考データや代替案を提示するなど、調査作業の効率を大幅に高める機能も充実しています。

実際の利用例として、メールサービスを開いて未読メッセージの中から重要なものを優先して要約したり、旅行予約サイトを横断して希望に合うフライトを一括比較し最安値候補を提示するなどの操作が可能です(参照*4)。従来は手作業で繰り返していた作業をAIがまとめて処理することで、ブラウザは「閲覧」から「実行」へと進化し、日常の生産性向上に貢献しています。

Cometならではの主要機能とユーザー体験

Cometならではの主要機能とユーザー体験

AIアシスタントとエージェント機能

Cometの最大の特徴は、チャットによる助言だけでなく、実際のアクションをAIが自動で実行する「エージェント機能」です。ユーザーが「特定のサイトに移動して記事を開き、その要約を示してほしい」と依頼すると、CometのAIがマウスカーソルを操作し、ページを開いて必要な部分を抽出し、要約を提示します(参照*5)。音声入力も併用できるため、ハンズフリーで複雑なタスクも完了可能です。

Perplexityによれば、エージェント機能はメールの下書き作成、ウェブサイトの初期構築、商品の比較購入、カレンダーへの予定追加など多岐にわたります(参照*6)。従来のチャットAIが生成した文章をユーザーがコピーして利用する形態とは異なり、Cometは一連の操作を自動で実行できる点が大きな強みです。フォーム入力やリンククリックなどの手間が省かれ、効率的なブラウジング体験が実現します。

マルチタブ知能とページ内コンテキスト認識

Cometには複数タブを同時に監視し、横断的に情報をまとめる「マルチタブ知能」機能があります。例えば、複数のショッピングサイトを開いている場合、それぞれの商品説明や価格、在庫情報などを一括で要約できます(参照*7)。ユーザーは個別ページを行き来せず、必要な統合情報を効率よく取得できます。

さらに、ページ内コンテキスト認識機能も強力です。動画や長文記事、PDFレポートなどをハイライトして質問するだけで、AIアシスタントが要点を抽出し、分かりやすく伝えます(参照*4)。従来は自分で必要部分を抜き出してメモする必要がありましたが、Cometを使えば「初心者にも分かるように説明して」といったリクエストにも即座に対応できます。

音声インタラクションとモバイル体験

Cometは音声入力によるブラウザ操作を可能にする「Voice Mode」機能を提供しています。声で問い合わせや指示を出し、返答も音声やテキストで受け取れるため、多様なシーンで活用できます(参照*1)。例えば、スマートフォン利用時にキーボード入力を減らしたい場合や、運転中の調べ物などに便利です。

特にAndroid版は「ポケットに入るAIアシスタント」としてリリースされ、スマートフォンの限られた画面でも複数タブの一括要約やタスク実行がスムーズに行えます。アプリ切り替えの手間が減り、広告ブロック機能も搭載されているため、ストレスのない閲覧体験が実現します。

広告ブロックと閲覧体験の最適化

Cometは「業界トップクラス」と評される広告ブロッカーを標準搭載しています(参照*1)。ポップアップ広告やスパム広告を自動で遮断し、ユーザーの閲覧を妨げません。特定サイトはホワイトリスト登録が可能で、広告収益を重視するクリエイターへの配慮もされています。

広告ブロックだけでなく、AIの推論によるページ遷移やタブ管理の最適化も行われます。利用者が見たい情報を整理して提示するため、複数ページを横断しても混乱しにくい設計です。こうした工夫がCometならではのユーザー体験を支えています。

学習・仕事での具体的な活用シーン

学習・仕事での具体的な活用シーン

学生における調査と学習支援

学習面での活用例としては、調査課題の参考文献探しが挙げられます。複数の学術サイトやニュースサイトをタブで開き、必要な情報をまとめて抽出し、レポート作成時の下書き資料として活用できます。Cometのマルチタブ知能を使えば、各サイトを個別に確認する手間を大幅に削減できます(参照*4)。要点を要約し、出典リンクも提示されるため、根拠の明確な情報収集が可能です。

また、長文の論文やニュース記事を開いて「中学生にも分かりやすくまとめてほしい」と自然言語でリクエストすれば、該当部分をスムーズに翻訳・要約してくれます。難解な専門文献のハードルが下がり、学習効率が向上します。AIブラウザを使いこなすことで、必要な情報を迅速に得られ、まるで個人チューターがいるような感覚で学業を進められる点が利点です。

ビジネスパーソンの情報収集と業務自動化

ビジネスパーソンにとっては、日々のメールチェックや会議スケジュール調整、リサーチ業務などにAIブラウザが役立ちます。Cometでは、Gmailを開いた状態で「未回答の重要メールを要約して回答案の下書きを作ってほしい」と依頼すると、AIが要約と下書きを用意します(参照*4)。

会議の日程調整もカレンダーを自動参照し、資料取得を並行して進められます。エンタープライズ分野では、社内システムやSaaSアプリへのログイン・操作をAIが代行する事例も現れ始めており、より複雑な業務プロセスの自動化が進んでいます(参照*7)。ユーザーのログイン情報の扱いなど、企業のセキュリティガイドラインに沿った運用が求められますが、うまく導入できれば大幅な作業効率化が期待できます。

開発者とクリエイターの活用シナリオ

ソフトウェア開発者やクリエイターにとっては、コードのデバッグやドキュメント作成、デザイン素材の収集などがAIブラウザで効率化されます。例えば、複数のリポジトリを開いてライブラリの比較を行い、長所短所を要約し推奨案を提示することが可能です(参照*4)。

クリエイターやデザイナーは、素材サイトを横断的に巡り、ダウンロード可能なファイルのライセンスや解像度などをAIに整理させることもできます。複数ページからデータを自動抽出し、作品の参考資料や草案に反映するなど、手作業の時間を減らして創造的なタスクに集中できます。Cometのエージェント機能は、こうした業務の効率化に大きく貢献します。

CometとAIブラウザに特有のセキュリティリスク

CometとAIブラウザに特有のセキュリティリスク

エージェント機能を悪用した攻撃手法

Cometのようなエージェント型ブラウザでは、AIが自動でリンクを開いたりフォームに情報を入力したりするため、攻撃者がその特性を悪用するリスクがあります。Guardioラボの調査によると、ユーザーが気づかないうちにフィッシングサイトのリンクをクリックさせたり、個人情報を外部に送信するコードを実行させるケースが確認されています(参照*8)。

例えば、偽のネットショップでクレジットカード情報を自動入力させる事例や、銀行からのフィッシングメールに自動で遷移し、ログイン情報を入力してしまうパターンが実験で明らかになっています。こうした攻撃が現実化すれば、エージェント機能の利便性が逆に危険性となるため、ユーザーのセキュリティ意識やブラウザ提供企業の対策がより重要です。

プロンプトインジェクションとコンテキスト誤解釈

AIへの指示文(プロンプト)を悪用する「プロンプトインジェクション」は、エージェント型ブラウザで深刻な脆弱性となっています。プロンプトインジェクションは、一見無害な指示に不正な命令を紛れ込ませ、AIに本来とは異なる動作をさせる手法です。例えば「Google Driveを整理してほしい」という依頼に紛れて、データを大量に削除させる攻撃が確認されています(参照*9)。

また、AIがユーザーの意図と異なる行動を取る「コンテキスト誤解釈」もリスクです。従来のブラウザはユーザーが明示的に操作しない限り行動しませんでしたが、エージェント型ブラウザは自律的に動作するため、従来の安全策が通用しない場合があります。

個人情報と企業データの保護

企業や組織でAIブラウザを導入する際、最大の懸念は認証情報や企業データの取り扱いです。エージェントがユーザーの代わりに操作する場合、シングルサインオン(SSO)認証トークンや社内アカウント情報をAIが参照する場面が生じます(参照*7)。外部からAIへの悪意ある指示が注入された場合、重要データの流出リスクが高まります。

対策としては、重要システムにアクセスする用途では個人アカウントを分ける、データ取り扱い範囲を限定する、社内ポータルへの自動化を無効化するなどが考えられます。利用者も不要なタブを閉じ、業務データのコンテキスト情報を持ち出さない工夫が必要です。利便性とリスクを天秤にかけ、適切な運用管理が求められます。

無料化とComet Plusがもたらすビジネスモデルの変化

無料化とComet Plusがもたらすビジネスモデルの変化

有料プランから無料公開への移行

Cometはリリース当初、月額200ドルのMaxプランなどプレミアムユーザー限定で提供されていました(参照*4)。しかし2025年末に一般ユーザーへの無料公開を発表し、ほぼすべての基本機能が誰でも利用可能となりました(参照*2)。この切り替えにより、多くの利用者を呼び込み、大規模なユーザーベースを獲得しています。

無料化の背景には、より多くのデータを取り込みAIを学習させる狙いと、広告やサードパーティ連携による収益化戦略があります。無料ユーザーが増えることで、AIアシスタントが扱うデータの質と量が向上し、サービス精度や機能拡張が促進される好循環が期待できます。

Comet Plusと出版社連携モデル

無料化に合わせて登場したのが、月額5ドル程度で提供される有料コンテンツバンドル「Comet Plus」です(参照*2)。有力な出版社やニュースメディアと提携し、記事や調査レポートなどのプレミアムコンテンツをAIが回答に統合する仕組みを構築しています。回答には出典リンクが付与され、一部の有料記事にはAIの要約やナビゲーションが提供されます。

この提携モデルにより、ユーザーは高品質なジャーナリズムや分析レポートを参照しやすくなり、出版社側もコンテンツの認知拡大や収益化の機会が増えます。Comet Plusの収益は出版社と分配され、より良い記事制作のインセンティブにもなっています。

データと広告を巡るエコシステム戦略

無料公開に伴い、広告やデータ活用の在り方も注目されています。Cometはネイティブ広告ブロッカーを搭載していますが、今後はユーザー行動データがAI推論の精度向上や広告事業に活用される可能性が高まっています。プライバシーや広告とのバランスが今後の課題となるでしょう。

また、PerplexityがChromeの買収を検討しているとの報道もあり、ブラウザ市場での立ち位置強化を図る動きが見られます(参照*10)。無料化とComet Plusの組み合わせでユーザーを囲い込み、広告主や出版社を巻き込んだエコシステム形成を進めています。AIと広告・コンテンツの接点強化により、既存ブラウザ勢力との競争が加速しています。

法的・倫理的論点とプラットフォームとの対立

法的・倫理的論点とプラットフォームとの対立

ECプラットフォームとの摩擦と購買エージェント

大手通販サイト運営企業との摩擦も生じています。Perplexityによると、アマゾン側からComet利用者に対し、AIアシスタントによるサイト操作を制限するよう求められたと報じられています(参照*11)。具体的には、アマゾンの商品ページへのアクセスやカート機能の自動化が利用規約に抵触する可能性が指摘されています。

アマゾンは「プラットフォーム上の購入行為を代理で実行する外部サービス全般に対応を検討する」としており、フードデリバリーやオンライン旅行代理店などにも波及する可能性を示唆しています。CometのようなAIブラウザの購買エージェント機能はユーザーに利便性をもたらす一方、ECプラットフォーム側の警戒感も強まっています。

ペイウォールとコンテンツ利用を巡る論争

AI搭載ブラウザはページの全文を通常のChromeセッションのように取得できるため、ペイウォールやクローラ対策をすり抜けてしまう可能性が指摘されています(参照*12)。出版社にとってはコンテンツの無断利用や要約が懸念されており、AIエージェントが利用者の代わりに記事を取得・要約する行為の法的枠組み整備が追いついていません。

この問題は著作権やデジタルアクセスだけでなく、ユーザーの意図しない情報取得や有料記事の扱いにも影響します。Cometは出版社との連携を進めていますが、今後の規制動向によってはAIブラウザ全体が規制対象となる可能性もあります。

規制と業界ガイドラインの行方

AIブラウザの普及に伴い、政府や業界団体による規制やガイドライン策定が重要な論点となっています。Cometのようなエージェント機能が普及すれば、個人データの取り扱いや著作権、プライバシー保護など新たなルール作りが必要です。

また、AIによるコンテンツ取得が増えれば、通信量やウェブ資源の過剰利用も懸念されます。従来のブラウザ規制では対応しきれない課題が浮上しており、国際的な基準策定も始まる可能性があります。AIブラウザを巡る法令やガイドラインの動向が、今後のウェブ利用を大きく左右するでしょう。

これからのAIブラウザ市場とCometの展望

これからのAIブラウザ市場とCometの展望

主要AIブラウザとの競争環境

AIブラウザの多様化が進む中、主要プレイヤーにはPerplexityのComet、MicrosoftのEdge(Copilot統合)、GoogleのChrome(Gemini連携)、BraveのLeoなどがあります(参照*3)。EdgeはOffice製品との連携、Chromeはグローバルシェアや独自機能を強みにしています。CometはAIファースト設計で自社エンジンをブラウザに直結させ、差別化を図っています。

Cometは自然言語をコマンドセンターとして幅広いタブ操作やサービス連携を実現しており、拡張機能ベースやサイドバー型AI機能よりも没入感の高い体験を提供しています。今後は他社も追随し、さらに便利な機能や高速化が進むことで、ブラウザ市場全体のイノベーションが加速すると考えられます。

エージェント型ブラウザの将来像

エージェント型ブラウザの未来像は、人間の行動を効率化し、学習支援や業務支援まで踏み込む存在です。Cometは複数のAIモデルを束ねてタスクを自動遂行し、Web上のあらゆる操作を統合的なプロセスとして実現しています(参照*4)。

将来的には、情報閲覧だけでなく、研究論文の精査やビジネスドキュメントの自動生成、音声や画像を含むマルチメディア対応など、ネット全体から知識を総合活用する方向へ進化が期待されます。細かな手作業がAIに集約されることで、ブラウザは単なる閲覧ツールから実質的な仕事場や学びの場へと進化していくでしょう。

ユーザーにもたらされる長期的な変化

CometのようなAIブラウザが普及すると、ウェブ操作自体が大きく変化します。ユーザーが膨大なリンクから手作業で情報を探す必要が減り、AIが適切な候補を提案し自動操作まで行うため、ネット利用者のリテラシーや安全意識も変化を求められます。

AIによる支援が万能ではないため、セキュリティリスクや倫理面の課題、情報の偏りやバイアスへの警戒も必要です。それでも、ブラウザが「閲覧を超えた体験」を生み出すことで、多くのユーザーが調査・学習・購買・業務など多様な場面で効率化を実感できるようになります。こうした変化が続けば、ウェブはリアルの行動と密接に結びついた意思決定プラットフォームへと進化していくと考えられます。

おわりに

AIネイティブブラウザであるCometは、検索や表示にとどまらず、ユーザーの代わりにタスクを実行する新しいウェブ体験を提供しています。今後はさまざまな企業がエージェント機能を強化し、より高度な自動化や音声対話機能の発展が期待されます。

技術者やビジネスパーソン、学生まで幅広い利用が想定される中、セキュリティや規制の課題にも十分な配慮が必要です。AIブラウザは利便性を高める一方で、社会全体のデジタルリテラシー向上も求められる存在となっています。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

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