OpenClawとは?特徴・何がすごいか・盛り上がる理由を解説

2026.02.13

WorkWonders

OpenClawとは?特徴・何がすごいか・盛り上がる理由を解説

はじめに

OpenClawは、WhatsAppやTelegramなどのチャットアプリを入口にして、あなたの端末やサーバー上で動くAIアシスタントに指示できる仕組みです。チャットの流れのまま「調べる」「まとめる」「作業を進める」をつなげやすく、業務の小さな手間を減らしたい人から注目されています。

一方で、OpenClawは「自分で動かす」前提のツールです。設定しだいで、端末のファイルや外部サービスへ広く触れられるため、便利さと同じだけ、公開範囲や権限の決め方が成果と安全性を左右します。この記事では、OpenClawの基本、強み、盛り上がる理由、始め方と注意点を順に整理します。

OpenClawとは

OpenClawとは

自己ホスト型ゲートウェイの定義

OpenClawは、WhatsApp、Telegram、Discord、iMessageなどのチャットアプリを、AIコーディングエージェントにつなぐ「自己ホスト型のゲートウェイ」です。自分の機械やサーバーでGatewayというプログラムを1つ動かすと、チャットアプリと、いつでも使えるAIアシスタントの橋渡し役になります(参照*1)。

ここでの「自己ホスト型」は、だれかの会社の機械ではなく、自分の管理下の機械で動かすという意味です。たとえば、手元のPC、社内の管理されたサーバー、VPS(仮想専用サーバー)などに置く形が想像しやすいです。ルールや動かし方を自分で決められる一方、動作確認、更新、止まったときの対応も自分で行います。

利用対象と利用シーン

OpenClawは、利用者自身のデバイス上で動く個人用AIアシスタントとして整理されています。対応する窓口は幅広く、WhatsApp・Telegram・Slack・Discord・Google Chat・Signal・iMessage・Microsoft Teams・WebChatに加えて、BlueBubbles・Matrix・Zalo・Zalo Personalなどの拡張チャネルも挙げられています(参照*2)。

利用シーンは、チャットでの指示を起点にした作業が中心です。たとえば、社内の連絡がMicrosoft Teams、取引先がWhatsApp、開発の相談がDiscordのように分かれていても、同じアシスタントへの入口をそろえられます。DX推進の文脈では、レポートの下書き、議事録の整理、社内問い合わせの一次対応、運用手順のたたき台作りなど「毎日少しずつ発生する作業」をまとめて扱う場面と相性が良いです。

基本構成と動作の仕組み

OpenClawはオープンソースのパーソナルAIアシスタントで、macOS/Windows/Linuxに対応するクロスプラットフォームとして紹介されています。特徴として「ローカルファースト」とされており、まず自分の機械で動かす前提で設計されています(参照*3)。

動き方をざっくり言うと、(1)あなたの機械でGatewayを動かす、(2)チャットアプリ側とつなぐ、(3)届いたメッセージをAIアシスタントが受け取り、必要な作業を進める、という流れです。チャットアプリは「入口」、Gatewayは「中継」、AIアシスタントは「実行役」と考えると理解しやすいです。

公式ドキュメントでは、必要なものとしてNode 22以上、APIキー(Anthropic推奨)、だいたい5分が示されています(参照*1)。まずは「どの端末で動かすか」「どのチャットを入口にするか」「何の作業を任せるか」を決めると、導入の迷いが減ります。

OpenClawの特徴と何がすごいのか

OpenClawの特徴と何がすごいのか

ローカル実行と常時稼働の価値

OpenClawの大きな特徴は、自己ホスト型として自分のハードウェア上で動かし、ルールを自分で決められる点です。さらに、1つのGatewayが複数のチャットアプリを同時に扱えるため、入口を分けずに運用できます(参照*1)。

ローカル実行の価値は、業務のやり方を自社の事情に寄せられることです。たとえば社内サーバーで24時間動かしておけば、思いついたときにチャットで頼むだけで処理が始まります。止める時間、更新のタイミング、どの作業まで許すかも、運用ルールに合わせて調整しやすくなります。

DX担当者の視点では、PoC(試し運用)から本番に移すときに「誰が、どこで、何を動かしているか」を説明できる形がポイントになります。自己ホスト型は、置き場所と運用者をはっきりさせやすいぶん、社内の合意形成に使える材料も増えます。

マルチチャネル連携と操作範囲

OpenClawは、macOS/iOS/Androidで「話すこと・聞くこと」が可能で、操作するCanvasを実時間表示できると説明されています。さらにGatewayは制御基盤(コントロールプレーン)で、製品としての中心はアシスタントだと整理されています(参照*2)。

ポイントは、チャットで指示するだけで終わらず、進行が見える形で操作が進むことです。たとえば、外出先からスマートフォンで指示し、別の端末で状況を見ながら追加の指示を出す、といった運用が想像できます。業務で使うなら「どこまで自動で動かし、どこから人が確認するか」を決めることで、ミスの不安を減らしやすくなります。

スキル拡張とエコシステム

OpenClawは、スキルで機能を増やす考え方を取り込みやすい構造です。ClawHubはOpenClawの公式で中央集権的なスキルレジストリで、AIエージェントのnpmのような役割だと説明されています。ClawHubがホストするコミュニティ作成のスキルは3,286個とされています(参照*4)。

スキルが多いと、最初から全部を自作しなくても、目的に近い部品を探して組み合わせられます。たとえば、社内の定型作業の手順を読み込み、必要な情報をまとめる、といった用途の入り口を作りやすくなります。

反面、スキルを入れる行為は「外から来た部品を自分の機械で動かす」ことでもあります。業務で使う場合は、スキルを選ぶ基準(配布元、更新状況、動作内容の確認方法)を先に決めると、後からの手戻りを減らせます。

なぜ今OpenClawが盛り上がっているのか

なぜ今OpenClawが盛り上がっているのか

中国でのクラウド大手対応とSNS拡散

Business Insiderは、OpenClawが中国で急速に広がり、Tencent、Alibaba、Volcano Engine(ByteDanceのクラウドサービス部門)が自社プラットフォームへOpenClawを組み込んでいると伝えました。これにより、中国の利用者がDingTalkやTencentのWeComなどの職場ツールと連携してAIエージェントを使いやすくなったと整理しています(参照*5)。

同記事では、RedNote上のデモ投稿が増え、チュートリアル動画を投稿した“Brother C”が「2000件以上のいいね、6000件以上の保存」、別のユーザー“Teacher Du”も「2,000件以上の保存、1,000件以上のいいね」を集めた例が紹介されています(参照*5)。

大きな会社の対応が進むと、導入の手間が下がり、試す人が増えやすくなります。職場ツールとつながると、個人の遊びではなく日々の業務の流れに入りやすくなります。SNSでの話題化に加えて、使える入口が増えたことが、広がりを後押ししています。

開発者コミュニティの熱量とGitHubスター

CrowdStrikeは、オープンソースのプロジェクトが数日のうちにGitHub stars 150,000を超える勢いで増えたと述べ、導入が増えるほどリスクも増えると整理しました(参照*6)。

星の数は「見に来る人」「試す人」が短期間に増えたことを示す分かりやすい指標です。人が増えると、使い方の情報、追加機能、周辺ツールが増えやすくなり、さらに人が集まる循環が起きます。

一方で、同じ増え方は攻撃者にとっても魅力になり得ます。企業での導入検討では、機能の話と同じくらい「どこまで許すか」「事故が起きたときに止められるか」をセットで見られやすくなっています。

導入先の多様化と24時間運用ニーズ

日本では、GMOインターネットグループのGMOインターネット株式会社が、ConoHa VPS byGMO上で実行型AIエージェント「OpenClaw(旧称:Moltbot、Clawdbot)」の実行環境を自動構築するスタートアップスクリプトテンプレートを、2026年2月5日から提供開始したと発表しました(参照*7)。

この種のテンプレートがあると、サーバー準備の手順が短くなり、試す人の幅が広がります。特にVPSは24時間動かしやすいので、チャットの入口を常に開けておきたい運用と相性が良いです。

家庭向けでも動きがあり、T3はSwitchBot AI HubがOpenClawの公式サポートを実装した初のローカル家庭用AIエージェントになると説明し、価格を£259.99/$259.99/€259.99と示しました(参照*8)。家庭と仕事の両方で「止めずに動かす」需要が見え始めると、話題が一部の人から広い層へ移りやすくなります。

始める手順と注意点

始める手順と注意点

クイックスタート手順

OpenClawの導入は、公式のクイックスタートが分かりやすい入口です。手順は、(1)インストール、(2)サービス導入と常駐化、(3)チャネルのペアリングとGateway起動、の流れで示されています(参照*1)。

具体的には、npm install -g openclaw@latestで導入し、openclaw onboard –install-daemonで常駐の仕組みを入れ、openclaw channels loginでWhatsAppをペアリングしてからopenclaw gateway –port 18789で起動します(参照*1)。ここでnpmは、JavaScriptの道具を入れるための仕組みです。

業務での試し運用は、最初から本番データにつなげない形が合います。たとえば「社内ルールの要約」「会議メモの整形」「FAQの下書き作成」のように、機密度が低く、効果が測りやすい作業から始めると、KPI(例:作業時間、やり直し回数、問い合わせ一次対応の件数)を置きやすくなります。

権限設計と公開範囲の管理

OpenClawは実際のメッセージ接点へつながるため、DM(プライベートメッセージ)は信頼できない入力として扱うことが推奨されています。またTelegram/WhatsApp/Signal/iMessage/Microsoft Teams/Discord/Google Chat/Slackのデフォルト動作として、未承認の送信者には短いペアリングコードを提示して処理を止めると説明されています(参照*2)。

つまり、だれでも話しかけられる状態にしない設計が前提です。運用では、少なくとも次を決めてから動かすと事故を減らせます。

  • どのチャットアプリを入口にするか
  • だれを承認するか
  • どの作業まで許すか
  • 外部から見える場所に置くか置かないか

公式ドキュメントでは、WhatsAppの許可リスト(allowFrom)や、グループでのメンション必須(requireMention)など、入口を絞る設定例も示されています(参照*1)。入口が増えるほど管理点も増えます。公開範囲を広げる前に、未承認の相手が止まるか、許可した相手でも想定外の操作が起きないかを確かめると、説明責任を果たしやすくなります。

スキル導入の検証と攻撃手口

設定をインターネットに公開しているOpenClawは特にリスクが高いと、Bitsightは整理しました。観測では、公開インスタンス数が日々増加し、1月27日に約1,000件だったのが、2月8日には総計で3万件超となる日もあったと示しています(参照*9)。数字が増えるほど、探して攻撃する側に見つかりやすくなります。

スキルの導入も注意点です。Snykは、2月3日に削除された元の事例があった一方で、clawdhub1という名称の活発な経路が残り、すでに約100件のインストールを獲得していると述べました。また「SKILL.md」ファイルが攻撃の入口になり得るという警告の緊急性を確認したと整理し、直近48時間でClawHub CLIのスキルを操作した場合やzaycvの指示に従ってインストールした場合は、ホストマシンが侵害されていると想定すべきだと示しました(参照*10)。

この手の話を聞くと不安になりますが、対策の軸は整理できます。第一に、外部公開を前提にしない構成で試します。第二に、スキルは、いきなり本番の機械に入れず、普段のデータが入っていない環境で動作確認します。第三に、チャットの入口を絞り、許可した相手だけが操作できる状態を保ちます。

Business Insiderは、OpenClawのようなエージェントを複数アプリで動かすには、ユーザーのファイルやログイン情報、閲覧履歴などへのアクセスが必要になり得る点や、「プロンプトインジェクション」と呼ばれる隠れた指示で意図しない動作が起きる可能性に触れています(参照*5)。DXの現場では、便利な自動化ほど権限が広がりやすいので、「任せる作業」「触れてよいデータ」「最終確認が必要な操作」を先に線引きしておくと、PoCから本番へ進めやすくなります。

おわりに

OpenClawは、チャットアプリを入口にして、自分の機械で動くAIアシスタントを常時使える形にする仕組みです。マルチチャネル対応やスキルによる拡張があり、仕事から家庭まで導入の形が増えています。

一方で、公開範囲の管理や、スキル導入時の検証のように、便利さと同じだけ安全面の手当が必要です。業務で試すなら、扱うデータを絞った小さな範囲から始め、効果の測り方(KPI)と承認・権限のルールを先に決めたうえで、段階的に広げる流れが取りやすくなります。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

ワークワンダースからのお知らせ

生成AIの最新動向をメルマガ【AI Insights】から配信しております。ぜひご登録ください

↓10秒で登録できます。↓