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はじめに
Nano Bananaシリーズは短期間で複数バージョンが登場し、名前や機能の違いが分かりにくくなっています。Nano Banana、Nano Banana Pro、そしてNano Banana 2はそれぞれどこが違うのか、整理しておくと今後の活用で迷いにくくなります。
この記事では、3モデルの正式名称やリリースの流れから、画像品質・速度・利用環境・安全対策まで、初心者が押さえておきたいポイントを参照情報をもとに順番に確認していきます。
Nano Bananaシリーズの全体像と各モデルの位置づけ

3モデルのリリース時期と正式名称の対応関係
Nano Bananaシリーズには、通称と正式なモデル名がそれぞれ存在します。最初のNano Bananaは2025年8月にリリースされ、正式名称はGemini 2.5 Flash Imageです。続く2025年11月にはNano Banana Proが登場し、こちらの正式名称はGemini 3 Pro Imageとなっています。そしてNano Banana 2は正式にはGemini 3.1 Flash Imageにあたります(参照*1)。
通称だけを見ると単純な番号の違いですが、正式名称を確認するとFlash系とPro系という系統の違いも見えてきます。利用時にどのモデルが動いているか把握するには、正式名称と通称の対応を手元に控えておくと便利です。
Googleが段階的にモデルを進化させた背景
Nano Bananaシリーズは、段階的に強化されながら展開されてきました。2025年8月に最初のNano Bananaが登場したとき、画像生成と編集の概念を再定義するものとして話題になりました。特にインドなどの国々でGeminiアプリ内で数百万枚の画像が生成されるきっかけとなっています(参照*2)。
同年11月にはNano Banana Proがリリースされ、ユーザーがより詳細で高品質な画像を作成できるようになりました。高度な知性とスタジオ品質の創造的なコントロールを提供するモデルとして位置づけられています。そしてNano Banana 2は、この2つのモデルの長所を組み合わせ「両方の世界のベストを届ける」モデルとして発表されました(参照*3)。
こうした経緯を踏まえると、速度重視のFlash系と品質重視のPro系を統合する方向でシリーズが進んできたことが分かります。
Nano Banana・Nano Banana Pro・Nano Banana 2のスペック比較

画像品質と生成速度の違い
3モデルの中で最も大きな違いが現れるのが、画像品質と生成速度のバランスです。初代Nano Bananaは速度に優れる一方で、品質面ではProに及ばない場面がありました。Nano Banana Proはスタジオ品質の高忠実度を強みとしていますが、その分だけ生成に時間がかかります。
Nano Banana 2はNano Banana Proに備わる高度な世界知識・品質・推論を、驚くべき速さで手に入れることができるモデルとして位置づけられています(参照*3)。つまり、初代のスピードとPro版の正確さ・精細さを兼ね備えた構成です。これまでProモデルに限定されていたGemini 3の知識ベースを活用しており、生成される画像はより現実に即したものとなり、もっともらしい嘘のリスクも低減されるとのことです(参照*4)。
速度と品質のどちらを優先するかで迷っていた場面では、Nano Banana 2がその中間を埋める選択肢になります。
テキスト描画・翻訳精度の違い
画像の中に文字を正確に描き込む能力は、モデルごとに差があります。正確で読み取り可能なテキストの生成やローカライズされた翻訳といった機能は、従来は有料プラン限定でNano Banana Proユーザーだけが利用できました。Nano Banana 2ではこれらの機能が無料プランでも使えるようになっています(参照*5)。
初代Nano Bananaにはこうしたテキスト描画の精度に関する高度な機能が備わっていなかったため、看板やポスターの文字入れなどで意図と異なる結果が出る場面がありました。Nano Banana 2では複雑な指示への忠実度が上がり、利用者が求めた内容により近い画像が得られるとされています(参照*1)。
多言語でのテキスト入り画像を作りたい場合は、利用するモデルとプランの組み合わせを事前に確認しておくと、期待通りの結果に近づきます。
キャラクター一貫性とオブジェクト忠実度の違い
複数のキャラクターやオブジェクトを1つの画像やワークフロー内で扱うとき、モデルによって一貫性に差が出ます。Nano Banana 2では最大5人のキャラクターと14のオブジェクトを1つのワークフロー内で一貫して描写できるようになりました(参照*5)。
Nano Banana Proでも最大14枚の参照画像をアップロードし、ロゴ、カラーパレット、キャラクターのターンアラウンド、製品ショットを含む完全なスタイルガイドを一度に読み込むことができます。これにより、ブランドの統一感を保つために必要な文脈がモデルに提供されます(参照*6)。
連作のイラストや商品紹介素材など、キャラクターやオブジェクトの見た目を揃えたい場面では、どのモデルがどこまで対応しているかを確認してから作業に入ると手戻りを減らせます。
解像度・アスペクト比対応の違い
出力できる画像の解像度やアスペクト比にも、モデルごとの違いがあります。Nano Banana 2は512pxから4Kまでの解像度で、さまざまなアスペクト比の画像を作成できるとされています(参照*2)。
ビジュアル面では照明の鮮やかさや質感、ディテールの鋭さが初代Nano Bananaから向上しており、Nano Banana 2では豊かなテクスチャとシャープなディテール、鮮やかなライティングが特徴として挙げられています(参照*1)。
SNS用の正方形画像から印刷用の高解像度素材まで、用途に応じた出力設定をあらかじめ決めてからモデルを選ぶと、後工程のリサイズ作業を省けます。
利用環境と料金プランごとの使い分け

Geminiアプリ・Google検索・Flowでの展開状況
Nano Banana 2が使える場所は複数にわたります。Geminiアプリ、Google検索のAIモード、Googleレンズなどで順次展開され、GoogleのAI動画生成ツール「Flow」のデフォルト画像生成モデルとしても採用されます(参照*5)。
Google検索では、Google Lens経由の検索結果およびAIモードで、Googleアプリの141の国でデスクトップとモバイルのウェブ全体でNano Banana 2がデフォルトになります(参照*2)。
Flowではハイファイデリティな画像を作成し、それをそのままVeoの動画生成用の素材やフレームとしてFlow内で使用できます。さらにFlow内では無料で画像を生成できる仕組みです(参照*7)。自分が普段使っているサービスでどのモデルが動いているかは、設定画面で確認すると把握しやすくなります。
無料プランと有料プラン(AI Pro/Ultra)での機能差
料金プランによって使えるモデルが異なる点も、Nano Bananaシリーズの違いを理解するうえで欠かせません。GeminiアプリではNano Banana 2がFast、Thinking、Proの全モデルでNano Banana Proに置き換わる形で導入されます(参照*1)。
一方でAI ProとUltraのユーザーは、専門的なタスクのために引き続きメニューからNano Banana Proを選択できます。具体的には、画像を再生成する際に三点メニューからProモデルへ切り替える操作が可能です(参照*1)。
従来は有料版のNano Banana Proユーザーのみに提供されていた高度な推論機能やレンダリング機能が、無料版のGeminiユーザーやGoogle検索のAI機能でも利用可能になります(参照*5)。無料プランと有料プランで何が変わるかを把握すると、用途に合ったプランを選びやすくなります。
開発者向けAPI・ツールでの提供状況の違い

Nano Banana 2を自分のアプリやサービスに組み込みたい開発者にとって、API経由での提供状況は気になるところです。Nano Banana 2はGemini API、Gemini CLI、Vertex AIのプレビューで利用可能になります。AI Studioを通じても利用でき、2025年11月にリリースされた開発ツールAntigravityでも提供されます(参照*2)。
Nano Banana 2とNano Banana Proでは、開発者が使い分ける場面も異なります。Nano Banana 2は素早い生成に向いており、Nano Banana Proは最大限の事実の正確さが求められる高忠実度のタスクに適しているとされています(参照*1)。
先行モデルであるGemini 2.5 Flash Imageは、コストと性能のバランスに最適化されており、速度とコスト効果を活かした迅速で効率的な画像生成・編集機能を提供する設計です(参照*8)。開発の初期段階ではNano Banana 2でプロトタイプを素早く回し、本番環境で品質を最大化したい工程ではProモデルのAPIを呼び出す、といった切り替えが検討しやすくなります。
安全対策の進化:SynthIDとC2PAへの対応

AI生成画像が広まるにつれて、その画像がAIで作られたものかどうかを見分ける仕組みの重要性が増しています。Nano Banana 2で作成されたすべての画像にはSynthIDウォーターマークが付与されます。SynthIDはAI生成画像であることを示すGoogleの電子透かし技術です(参照*2)。
さらに、SynthIDウォーターマークとコンテンツ認証情報(C2PA Content Credentials)が組み合わされ、AIが使われたかどうかだけでなく、どのように使われたかというより包括的な情報を利用者に提供します。C2PAはAdobe、Microsoft、Google、OpenAI、Metaなどの企業で構成される業界団体が策定した規格です。C2PA検証はGeminiアプリにも導入されます(参照*1)。
Nano Banana Proでも、生成されたすべての資産にSynthIDのウォーターマーキングが組み込まれており、透明性と責任ある使用を確保する設計です。商業利用については、一般提供時に著作権免責を含むサポートを行う方針が示されています(参照*6)。GeminiアプリでのSynthID検証は2025年11月の開始以来、2,000万回以上使用されており、安全対策の仕組みが実際に活用されていることが分かります(参照*2)。
目的別で選ぶモデルの判断基準と注意点

高速アイデア出し・制作品質・専門タスクの使い分け
用途に応じて、Nano BananaとNano Banana Proを使い分ける流れが示されています。Nano Banana ProとNano Bananaは、完全な創造的ワークフローを支えるよう設計されています。高速なアイデア出しにはNano Bananaで作業を始め、制作に使える資産として最高の忠実度が必要なときにNano Banana Proへ移行するという流れが示されています(参照*6)。
Nano Banana 2の登場により、従来は有料版のNano Banana Proユーザーのみに提供されていた高度な推論機能やレンダリング機能が無料版でも利用可能になりました(参照*5)。そのため、まずNano Banana 2でアイデアを素早く形にし、最終仕上げで事実の正確さを最大限に求める場合にはProモデルを選ぶ、という手順で作業を組み立てることができます。
モデル選択時に陥りやすい失敗例
モデルの違いを把握しないまま使うと、意図しない結果につながることがあります。たとえば、フォトリアルな画像を生成する能力はAI画像と実写の見分けを難しくする側面も持ちます。ある調査ではSNSユーザーの大多数がAI生成の投稿を目にしていると感じている一方で、それを見分けられる自信がある人は半数以下の44%にとどまっています(参照*4)。
生成した画像をSNSや販促物で使う場合は、SynthIDやC2PAの仕組みを活かしてAI生成であることを明示できる状態にしておくことが大切です。モデルの性能だけに注目するのではなく、生成後の運用ルールまで含めて検討してください。
おわりに
Nano Banana、Nano Banana Pro、Nano Banana 2は、速度・品質・利用環境・安全対策のそれぞれで違いがあります。Nano Banana 2はその中間を埋めるモデルとして、無料プランでも高度な機能を使えるようになった点が大きな変化です。
自分の目的に合ったモデルを選ぶには、正式名称と通称の対応、プランごとの機能差、そして生成後の運用まで含めて確認しておくことがポイントになります。
監修者
安達裕哉(あだち ゆうや)
デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))
参照
- (*1) 9to5Google – Nano Banana 2 brings Pro quality at Flash speeds, rolling out to Gemini app
- (*2) TechCrunch – Google launches Nano Banana 2 model with faster image generation
- (*3) Google – Nano Banana 2: Combining Pro capabilities with lightning-fast speed
- (*4) Yahoo!ニュース – グーグル、画像AI「Nano Banana 2」を公開 速さと精度の「いいとこ取り」(CNET Japan)
- (*5) ITmedia AI+ – Google、「Nano Banana 2」公開 「Gemini 3.1 Flash」ベース、無料版でも高機能利用可能に
- (*6) Google Cloud Blog – Nano Banana Pro available for enterprise
- (*7) Google – New ways to create and refine content in Flow
- (*8) Google Cloud Documentation – Generative AI on Vertex AI