Perplexity Computerとは?従来のPerplexityやチャットAIとの違いを紹介

2026.02.27

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Perplexity Computerとは?従来のPerplexityやチャットAIとの違いを紹介

はじめに

Perplexity Computerは、AIが仕事そのものを組み立てて実行する流れの中で登場したエージェント基盤です。

この記事では、Perplexity Computerの仕組みや従来のチャットAIとの違い、具体的な活用例や利用条件、そして今後の展望まで、押さえておきたいポイントを順番に取り上げます。

Perplexity Computerとは何か

Perplexity Computerとは何か

Perplexity Computerは、AI回答エンジンPerplexityを展開するPerplexity AI, Inc.が発表したエージェント基盤です。複数の先端AIモデルを統合し、リサーチから成果物生成までのワークフロー全体を自律的に実行する点が大きな特徴となっています(参照*1)。

Perplexity Computerは、ワークフローそのものを作成・実行するシステムであり、数時間から数か月にわたって稼働し続けることも可能だと説明されています(参照*2)。

「Computer」という名称に込められた意味

Perplexity Computerの「Computer」という名前には、歴史的な背景が込められています。1757年、数学者アレクシス・クレローは2人の「コンピュータ」(当時は見習い計算士を意味する肩書)を雇い、エドモンド・ハレーの彗星予測を精緻化しました。3人は昼夜を問わず数か月間作業を分担し、ハレー彗星の近日点を実際の2日以内の誤差で予測することに成功しています。

「コンピュータ」という言葉はその後意味を変えてきましたが、複雑な仕事を自律的に分割し、正確さを中心に据えて取り組むという本質は一貫しています(参照*2)。Perplexity Computerはまさにこの考え方を現代のAIで再現した存在だといえます。

一言で表す「汎用デジタルワーカー」という位置づけ

Perplexity Computerは「汎用のデジタルワーカー」と位置づけられています。推論、委任、検索、構築、記憶、コーディング、成果物の提供が可能です。別の例え方をすると、Perplexity Computerは企業のCEOのようなものだと説明されています。階層組織をなすチームと従業員がいて、そこに業務を委任していく仕組みです(参照*3)。

つまり、ユーザーが期待する成果を伝えると、Perplexity Computerがみずから計画を立て、必要な下位タスクをサブエージェントに振り分けて実行していきます。個別のAI機能を手動で切り替える手間がなくなるため、作業の全体像を把握したうえで利用する場面を検討しやすくなります。

Perplexity Computerが登場した背景

Perplexity Computerが登場した背景

Perplexity Computerが生まれた背景には、AIモデルの専門化という業界全体のトレンドと、Perplexity自身がブラウザやアシスタント機能を段階的に拡張してきた経緯があります。それぞれの側面から、なぜ今この形のサービスが必要とされたのかを見ていきます。

AIモデルの専門化とマルチモデル活用の課題

複雑な業務フロー全体を単一モデルのみで最適化することが難しくなっている点が、Perplexity Computerの背景の1つです(参照*1)。実際、先端モデルはそれぞれ得意な作業が異なるため、ワークフロー全体をカバーするにはすべてのモデルにアクセスし、賢く配置する必要があると指摘されています(参照*2)。

一部の上級ユーザーはすでに複数のモデルを使い分け、得意分野に応じて特定のタスクへ振り分けていました。Model Context Protocol(MCP)を利用してモデルにローカルマシンのデータやアプリケーションへのアクセスを与える手法もありましたが、その設定は煩雑でした(参照*4)。Perplexity Computerは、この煩雑さを解消し、より多くの人が複数モデルの恩恵を受けられる形を目指したものです。

Cometブラウザやバックグラウンドアシスタントからの進化

Perplexityは、AIブラウザ「Comet」を月額200ドルのMaxプラン加入者向けに提供し、その後ウェイティングリストに数百万人がサインアップしました。Cometの主な機能は、閲覧中のウェブページに対して質問への回答、内容の要約、ウェブコンテンツの管理、ページの案内を行うサイドカーアシスタントです(参照*5)。

バックグラウンドアシスタントの追加により、一度に複数のタスクをコンピュータ上で実行できるようになりました。メール送信やコンサートの最安チケットのカートへの追加、指定日時に合う直行便の検索などを、ユーザーが別の作業をしている間に処理できる仕組みです。Perplexity Computerは、こうしたブラウザベースのアシスタントをさらに拡張し、より大規模で複雑なワークフローへ対応できるよう進化させた形態にあたります。

Perplexity Computerの仕組みとマルチモデル設計

Perplexity Computerの仕組みとマルチモデル設計

Perplexity Computerの中核は、ユーザーの指示を受け取ってタスクを分解し、複数のAIモデルに振り分ける仕組みにあります。ここでは、タスク分解の流れ、モデルごとの役割分担、そして実行環境のセキュリティについて順に見ていきます。

タスク分解とサブエージェントによる非同期並列実行

Perplexity Computerは、期待する結果をチャットで説明するとタスクとサブタスクに分解し、実行のためのサブエージェントを作成します。Web調査やドキュメント生成、データ処理、接続されたAPIサービスの呼び出しなどをそれぞれが担当し、あるエージェントがドキュメントを作成している間に別のエージェントが必要なデータを収集するといった並列処理が可能です(参照*6)。

実行中に問題が生じた場合は、解決のために新たなサブエージェントを作り出します。APIキーの取得や補足情報の調査、アプリのコーディングなどを自動で行うほか、必要に応じてユーザーへの確認も実施します。この一連の流れは非同期で進むため、ユーザーは結果を待つ間に別の用事を進められます。

19モデルの役割分担とオーケストレーション

Perplexity Computerは合計19のAIモデルを統合し、用途ごとに使い分ける設計です。コア推論エンジンとしてOpus 4.6が全体の判断を担い、タスクに応じて最適なモデルを指揮・調整(オーケストレーション)します。主な役割分担として、Geminiがディープリサーチとサブエージェント生成を受け持ち、GPT-5.2が長文コンテキスト理解と広範検索を処理します。Grokは軽量タスクの高速処理を担い、Nano Bananaが画像生成、Veo 3.1が動画生成を行います(参照*1)。

AIモデルの専門化が進んでおり、それぞれの先端モデルが異なる種類の作業に秀でているとされています(参照*2)。Perplexity Computerのオーケストレーション設計は、この専門化を強みに変える仕組みだといえます。どのモデルがどの領域に適しているかをユーザーが選ぶ必要がなく、システム側が自動で判断する点がポイントです。

隔離されたクラウド実行環境とセキュリティ

Perplexity Computerのタスクはすべてクラウド上で、あらかじめ構築された統合環境とともに実行されます。すべてのタスクは実在のファイルシステム、実在のブラウザ、実在のツール統合にアクセスできる分離された計算環境で動く仕組みです(参照*4)。

Perplexity Computerは「安全でセキュアな開発サンドボックス」内で動作します。これは、セキュリティ上の不具合が生じても、ユーザーのメインのネットワークに拡散することはないということを意味します(参照*3)。自律的にタスクを処理するシステムだからこそ、実行環境が隔離されている点を確認しておくことがポイントです。

従来のPerplexityやチャットAIとの違い

従来のPerplexityやチャットAIとの違い

Perplexity Computerは既存のAIサービスといくつかの明確な違いを持っています。ここでは、チャットAI、単一タスクエージェント、そして競合サービスとの比較をそれぞれ取り上げます。

チャットAI(回答生成)との違い

Perplexity Computerは、回答生成に加えて作業実行に必要な機能を単一の実行基盤に統合しています。ファイルシステム、CLIツール、ブラウザによるリアルタイムWebアクセス、外部コネクタ、永続メモリー、複数AIモデルを統合している点が特徴です(参照*1)。

つまり、チャットAIが「答えを返す」存在であるのに対し、Perplexity Computerは「仕事を組み立てて完了させる」存在です。回答を得るだけでなく、その回答を元にした調査や資料作成、データ処理までを一貫して実行できる点が大きく異なります。

単一タスクエージェントとの違い

Perplexity Computerは、従来型のAI機能を統合し、それらを越える汎用的な作業実行能力を備えるものとして位置づけられています。既に提供されているAIブラウザCometやパーソナルAIアシスタントと同様に、各種大型モデルを組み合わせて利用できるシステムです(参照*7)。

単一タスクエージェントは1つの作業を自動化する点では便利ですが、複数の工程をまたぐワークフローには対応しにくいという課題がありました。Perplexity Computerは、リサーチからコーディング、成果物の納品まで、工程を横断して処理できる点が異なります。

競合サービス(Claude Coworkなど)との比較

Perplexity Computerのタスクごとに最適なモデルを選ぶアプローチは、Claude CoworkのようにAnthropicのモデルのみを使用する競合製品とは異なります(参照*4)。Perplexityが一貫して掲げてきたのは「モデルに依存しない」という方針であり、選択肢と制御を確保することがより良い結果につながるという考え方です(参照*2)。

特定のモデルファミリーに縛られないことで、各分野で優れたモデルを柔軟に採用できる設計となっています。競合サービスと比較する際は、対応モデルの幅とオーケストレーションの仕組みに着目して検討するとよいでしょう。

Perplexity Computerの活用例と利用条件

Perplexity Computerの活用例と利用条件

Perplexity Computerが実際にどんな場面で役立つのか、そして誰が使えるのかを確認していきます。

具体的なユースケース(マーケティング・アプリ開発・リサーチ)

Perplexity Computerでは、ユーザーが具体的な成果を説明する形で指示を出します。たとえば「レストランの地元向けデジタルマーケティングキャンペーンを計画・実行する」「仕事のための特定の種類の研究を手伝うAndroidアプリを作る」といった依頼が可能です。Perplexity Computerはサブタスクを考案し、必要に応じて複数のエージェントに割り当て、最適と判断するモデルを実行します(参照*4)。

また、「さまざまなスキーリゾートについて最新の積雪状況を提供するアプリの構築」のように最終成果のビジョンを示すと、Perplexity Computerがタスクを自動で複数のタスクとサブタスクに分解し、それぞれに適したモデルを呼び出して処理させます(参照*3)。活用を検討する際は、単発の質問ではなく、工程が複数にまたがるプロジェクト型の仕事をイメージして依頼内容を組み立てるとよいでしょう。

利用できるプランと料金体系

Perplexity Computerは、Perplexity Maxユーザー(月額200ドル)が利用できます(参照*6)。年間契約の場合も月額約200ドルの上位プランであるPerplexity Maxへの加入が条件となっており、Enterprise Maxユーザーにも間もなく提供される予定です(参照*7)。

今後数週間でPerplexity Enterprise ProやPerplexity Proの加入者にも提供される見通しがあります(参照*3)。利用を検討する場合は、現在加入しているプランと対応状況を照らし合わせて確認してください。

利用時の注意点と今後の展望

利用時の注意点と今後の展望

Perplexity Computerを実際に使ううえで知っておきたい制約と、今後の発展の方向性をここで取り上げます。

現時点での制約と注意すべきポイント

現在、Perplexity Computerの提供はPerplexity Maxプランのユーザーに限定されています。月額200ドルという費用は、個人ユーザーにとっては決して小さくない金額です。生産性の向上が実感できなければ、既存のツールから乗り換える意欲は低くなるかもしれないという指摘もあります(参照*5)。

また、エージェントが自律的に動作するため、意図しない処理が走る可能性もゼロではありません。実行環境はサンドボックスで隔離されているとはいえ、依頼内容を具体的かつ明確に記述し、途中でユーザー確認が入った際にはきちんと内容をチェックするといった運用上の注意が求められます。

モデルの入れ替えと将来の拡張性

Perplexity Computerの内部で使われているモデル構成は、固定ではありません。特定分野に優れたモデルが新たに登場すれば追加される可能性があり、既存のラインアップも各モデルの進化に応じて入れ替わることがあると説明されています(参照*3)。

モデルに依存しない仕組みにより、モデルの進歩に合わせた変更が可能です。さらに、特定のサブタスクに対してモデルを指定することもでき、利用コストを含む高度な制御にも対応しています(参照*1)。今後ProプランやEnterprise Proプランへの展開も見込まれており、利用者層が広がることで活用事例やフィードバックが増えていく流れが期待されます。

おわりに

Perplexity Computerは、AIに質問して回答を得る段階から、AIが仕事の計画・実行・納品までを一貫して担う段階への転換点を示すサービスです。19のモデルを束ねるオーケストレーション設計や、隔離されたクラウド環境での安全な実行など、従来のチャットAIや単一エージェントとは明確に異なる構造を持っています。

利用プランの範囲やモデル構成の変動、費用対効果の見極めなど、導入前に確認すべき点は少なくありません。自分の業務フローのどこにPerplexity Computerを組み込めるかを具体的に描いたうえで、試してみる価値があるかを判断してみてください。

監修者

安達裕哉(あだち ゆうや)

デロイト トーマツ コンサルティングにて品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事しその後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのち2013年5月にwebマーケティング、コンテンツ制作を行う「ティネクト株式会社」を設立。ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年7月に生成AIコンサルティング、およびAIメディア運営を行う「ワークワンダース株式会社」を設立。ICJ2号ファンドによる調達を実施(1.3億円)。
著書「頭のいい人が話す前に考えていること」 が、82万部(2025年3月時点)を売り上げる。
(“2023年・2024年上半期に日本で一番売れたビジネス書”(トーハン調べ/日販調べ))

参照

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