近年、AIの進化により多くの仕事が自動化されていますが、人間の独特な能力が必要な作業を助ける強力なツールとしても使われています。たとえば、ニューヨーク・タイムズは「トランプの選挙の嘘の舞台裏」という記事で、Election Integrity Networkが共和党全国委員会と密接に連携し、「左派」による選挙の不正を非難したり、民主党を守勢に追い込むための努力を報道しました。
この記事の取材のため、NYTは過去3年にわたるElection Integrity Networkの週次会議から400時間以上に及ぶ会話を解析しました。これらの大量の記録の中から重要な瞬間を識別するために、AIが活用されたのです。自動ツールによって作成された膨大なトランスクリプト(約500万語に及ぶ)を分析することで、AIはより効率的な取材を支援しました。
そこで、機械が全てを書き起こすことで、取材チームが特筆すべき場面を見つけ出せるようになりました。AIによる自動書き起こしはもはや新しい技術ではありませんが、その精度は大幅に向上しています。例えば、自動書き起こしサービスをテストしたレビューサイトでは、2018年の最も精度の高いAIサービスが73%であったのに対し、2024年の最も精度の低いAIサービスでも94%の正確さでした。これは一部のAIが人間が行う書き起こしよりも精度が高いということを意味しています。
出典 : How The New York Times is using generative AI as a reporting tool https://arstechnica.com/ai/2024/10/the-new-york-times-shows-how-ai-can-aid-reporters-without-replacing-them/