EUは人工知能(AI)の規制に長けていましたが、今ではその開発にも力を入れています。中国のDeepSeekが開発した低コストの強力なAIモデルにより、AIの覇権争いが激化しています。これに対抗し、EUは自身のオープンソースAIモデル開発に向けて5,600万ドルの資金を投じる計画を発表しました。
プロジェクトでは、EU諸国の企業や大学のトップ研究者たちが、30の言語に対応できる大規模な言語モデルの開発を行います。また、スペインのMare NostrumやイタリアのLeonardoといったEUから資金提供を受けているスーパーコンピューターも活用されます。
アメリカの先端的なAIラボや欧州のユニコーン企業と比べると予算は少ないものの、DeepSeekの成功を受けて、この資金がAI分野での大きな進展につながる可能性があります。EUのプロジェクトは、ヨーロッパの企業や政府がEUの価値を軸に置いたオープンソースLLMを基に拡張できるよう目指しています。
メタやOpenAIなど米国の企業が法律リスクでEUでのサービス提供を制限する中、EUは独自のLLM開発で対抗しようとしています。また、EUは技術セクターを強化するために研究助成金の予算を25%増やし、EUのスーパーコンピューティングネットワークへの投資も進めています。
しかし、かつて失敗したGoogleに対抗するヨーロッパ版検索エンジンに多額を投じた事例もあり、その効果は未知数です。
出典 : The EU Is Betting $56 Million On Open Source AI https://www.forbes.com/sites/iainmartin/2025/02/02/the-eu-is-betting-56-million-on-open-source-ai/