科学の世界に大きな影響を与え、多くの人の想像力を捉えているAIプログラム、ChatGPT。自ら学術論文を共同執筆し、研究提案や授業の概要を作成するなど、研究のアイデアに対するサウンドボードとしても機能します。しかし、この技術は問題も含んでおり、検閲されずには捏造された参照や情報、偏見を持つデータが混入し得ます。
また、プログラムが真実か偽りかを評価する概念を持たないため、訓練データの歴史的偏見や不正確な情報を再現し、非実在の科学的参照を作り出すこともあります。
ChatGPTの開発を手がけるOpenAIは、これに加えて不公正な労働慣行で告訴されるなどの法的な論争にも直面しています。
その一方で、科研活動への応用や進化は止まらず、開発者がいかに安全性を組み込むか、規制がどの程度進むかは不透明ながら、AI研究の新時代が開かれつつあります。高いポテンシャルと共に懸念も抱えながら、ChatGPTは今、科学者たちの手助けとなり得るかもしれません。
出典 : https://www.nature.com/articles/d41586-023-03930-6?error=cookies_not_supported&code=78032a18-1e96-4fc5-9bb8-aac32829dd22