イギリスの出版社テイラー&フランシスはマイクロソフトと1000万ドル規模の契約を結び、研究論文のアクセス権を提供しました。これによってAIモデルの開発が進んでいますが、作者の同意なしに取引されることへの懸念の声も上がっています。
AIは、インターネット上の広大なデータから学習し、その過程で個々の研究論文がどのように利用されているかを把握するのは非常に困難です。著作権を持つ研究者たちにとって、自身の研究成果がどのように活用されているかを知る手段は限られており、企業による秘密主義が続いています。
著作権の問題も複雑で、AIモデルのトレーニングに著作権付きのテキストが使用された場合、不正利用にあたるのか、新しいテキストを生成するための学習材料として利用されることは違法ではないのか、法的な議論も交わされています。
学術界では、自らの研究がAIトレーニングの材料として使われることに対し賛成の声もあれば、現在のシステムに疑問を持つ研究者もいます。今後、学術出版とAI開発の関係はどう変わるのか、この分野の動向は非常に注目されています。
出典 : Has your paper been used to train an AI model? Almost certainly https://www.nature.com/articles/d41586-024-02599-9