半導体技術における重要な進歩として、チップの裏側からの電力供給という新しいアプローチが注目されています。この方法は信号の整合性を強化し、ルーティングの混雑を減らす一方で、現在解決策がない新たな課題も生み出しています。インテル、サムスン、TSMCは、約2nmプロセスノードでのバックサイド電力供給(BPD)の導入計画を発表しています。
BPD技術は、電源と信号ライン間のインターコネクト資源の共有を不要にすることで、抵抗とキャパシタンス(RC)のボトルネックを解消し、製造コストを削減します。さらに、異なる金属層を最適に製造するため、広いラインは電源と接地用、細いラインは信号伝達用として使われます。しかし、BPDネットワークはウェハ処理に著しい挑戦をもたらし、フィン型トランジスタからナノシート型への切り替えと同じノードで変化が起こる可能性があります。
製造プロセスにおいては、新しい金属材料への置き換えが検討されており、BPD技術は次のプロセスノードへのスケーラビリティも重要です。BPDネットワークの導入は、電力配信をクリーナーにし、RCボトルネックを克服し、デバイスメーカーにとって革新的な転換点となるでしょう。
出典 : Challenges In Backside Power Delivery https://semiengineering.com/challenges-in-backside-power-delivery/