わずか一年余りで設立された中国企業のディープシークは、新しいオープンソースの大規模言語モデル（LLM）を発表しました。これは、既存のモデルに比べて低消費電力でコストも少なく、さまざまなベンチマークで強力な性能を発揮することが特徴です。
ディープシークのR1モデルはオープンソースであり、アメリカ外で開発された競争力のあるモデルとして注目されています。しかし、最先端モデルほどの能力は有しておらず、最近の省エネモデルに比べると効率もいささか劣ります。それにもかかわらず、今後LLMや非言語生成AI（GenAI）モデルの効率性とコスト削減は進んでいくでしょう。
ところで、この技術動向はテクノロジービジネス投資家にとって、またAIブームを予測し、データセンターや電力インフラの需要増加に賭ける「ピック＆シャベル」投資家にとってどのような意味があるのでしょうか。私たちが考えるに、GenAIは費用が下がる一方、モデルの競争は加速し、オープンソースオプションが広がり続け、これにより、より多くの企業が生産性を向上させることが期待されます。
過去数年間における私たちのプライベートエクイティのポートフォリオ企業は、AIを統合することでビジネスを効果的かつ効率的にしてきました。例えば、OutSystemsは、開発者の生産性を向上させ、会話プロンプトだけからアプリの初期バージョンを構築するGenAIベースの技術を開発しました。
データセンターや電力への投資については、AIによるデータ処理の需要増加と共に、強固な投資を継続しています。電力インフラにおいても、電気の負荷増加に対応するための重大な投資が必要です。このようにして、ディープシークの事例をはじめとするGenAIの進化は、私たちの資本投資にとって魅力的なチャンスを生み出しているのです。それでも、将来の需要に対する楽観的な予測には厳しい目を向け、変動リスクや機会の源泉を冷静に分析して投資を実施しています。
出典 : DeepSeek and the Evolution of Large Language Models: Cheaper, Better, Faster? https://www.kkr.com/insights/deepseek-large-language-models
