ポルトアレグレ市の市議会議員ラミロ・ロサリオ氏(37歳)は、法律作成プロセスに人工知能(AI)を導入することで、将来的には政治家が不要になる可能性があるとしています。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ロサリオ氏は昨年11月、チャットボット「ChatGPT」を利用して、盗難にあった水道メーターの交換費用を住民に請求しないようにする法律を作成しました。
通常、数日がかりで作業するところをChatGPTは15秒で法案の提案を記述し、ロサリオ氏が当初考えていなかった、30日以内にメーターを交換しなければ水道料金を免除する条項を含めました。
この法案はその後市議会で匿名で承認され、法案に関するプレスリリースを生成するためにもChatGPTが利用されました。議員はChatGPTの関与を秘密にしていたといい、「知っていたら署名されなかっただろう」と述べています。
ロサリオ氏はその後、夕食のレシピを見つけるなど、生活の他の領域にもChatGPTを導入しています。
しかし、ChatGPTに相談して法案を作成したことが明らかになると、地域社会からは賛否両論の声が挙がっています。
「危険な前例だ!」と法律の撤回を訴える声もある一方で、「政治家の知能よりAIのほうがいい」と肯定的な意見もあります。
AIツールは、特に学生の学術的誠実さを脅かすとして議論されている一面もあります。
ピューリッツァー賞受賞者が著作権の侵害を理由にOpenAIに対して訴訟を起こしている中、AIの活用は今後も注目の的となるでしょう。
出典 : https://katu.com/news/nation-world/dangerous-precedent-brazilian-politician-used-ai-to-write-new-law-report-says-openai-microsoft-wall-street-journal-ramiro-rosario-porto-alegre-brazil