近年、医療分野におけるAIの活用が進んでいます。ここでは、特に医療に特化した質問応答システムにフォーカスし、その潜在能力を評価するための研究について紹介します。多岐にわたる医療データセットを結集し、大規模言語モデル（LLM）の知識を深く評価することができる「MultiMedQAベンチマーク」が開発されました。
これには様々な形式の問題が含まれており、単純な多肢選択式の問題から、長文回答が必要なものまで多岐に渡ります。その中で「Med-PaLM」と呼ばれるモデルが開発され、医療専門家の評価を反映しつつ、より臨床的な知識と推論能力に特化させています。
医療分野における安全性の要求を満たすため、具体的な医療データでの追加トレーニングや、専門家による人間の評価フレームワークを導入しました。医療AIの精度向上と有用性を判断するための新しい一歩として、この技術は高く評価されています。
高校生でも理解できるように言い換えると、Med-PaLMは、医療の問題を解決するために訓練された賢いコンピュータプログラムです。医者が行うような診断支援や、患者さんが持つ疑問に答える手助けをします。これからの医療をAIがどう変えていくのか、そのヒントがここに隠されています。
出典 : Large language models encode clinical knowledge https://www.nature.com/articles/s41586-023-06291-2
