この研究は、ロボットに人間のような性格を実装し、社会的認知能力を持たせることを目的としています。その中心にいるのは「モビ」と呼ばれるサービスロボットです。
モビは深度カメラや触覚パネル、ロボットアームなどを備え、人間の研究者の性格特徴をもとにした個性がプログラムされています。このロボットは、対話テストを通して、視覚的な内容を理解し、適切な感情を持った反応を生成できることが示されました。
さらに、人間の被験者と比較し、性格試験結果を用いて性格設計の評価を行っています。国際的な性格指標であるIPIP-NEOとBig Fiveを使い、ロボットの性格が安定しているか、そして有効かを検証しています。
このロボットは、理論をもとにした信頼性の高い性格モデルを持ち、長期記憶や画像とテキストの融合処理を駆使することで、より人間らしいインタラクションを実現しています。
しかし、現実の世界と同じく、実用においては何らかの課題も浮かび上がっています。処理にかかる時間や、感情を伝えるための非言語的手段、さらには長期的な人間とロボットとの関わり合いにおいて、ユーザーがロボットにどのような態度を取るかについての評価などが挙げられます。
これらの向上には技術の進歩が必要ですが、本研究は、AIと人間の新たな関係を提示しています。
出典 : LLM-based robot personality simulation and cognitive system – Scientific Reports https://www.nature.com/articles/s41598-025-01528-8