人工知能を用いたチャットボットが、小児科の診断で誤った結果を出すことが研究で明らかになりました。コーエン・チルドレンズ・メディカルセンターのジョセフ・バリーレ氏らの研究チームは、JAMA Pediatricsに報告しました。
ChatGPT版3.5は、100件の小児科症例のうち83件で誤診を出し、それらのうち72件は完全に間違っており、11件は正しい診断と関連はあるものの、広範囲すぎる為正確とは言えませんでした。
例えば、自閉症のある10代の若者が発疹と関節痛を訴えた場合、医師の診断は「壊血病」で、チャットボットの診断は「免疫性血小板減少性紫斑病」という誤診がありました。さらに、赤ちゃんの首の側面にできた膿を排出する腫れ物の症例では、医師は「耳鰓腎症候群」と診断したのに対し、チャットボットは「鰓裂嚢胞」と診断してしまいました。
チャットボットには医療における行政的なツールとしての潜在力がありますが、実際の臨床経験を持つ医師の診断と比較すると、その限界も浮き彫りになっています。バリーレ氏らは、AIチャットボットがどのように診断に役立つか、さらなる研究の必要性を強調しています。
チャットボットの診断精度を高めるためには、より選択的なトレーニングが必要とされており、リアルタイムの医療情報へのアクセスがないことも問題点として挙げられています。
出典 : https://www.medpagetoday.com/pediatrics/generalpediatrics/108096