法律業界におけるAI技術の利用が進む中で、その効率化には正確かつ最新のデータが欠かせません。しかし、法的定義が広く認知されていないとAIは信頼できる成果を出せません。異なる法律事務所や企業間でのデータの格差は、情報検索や交換の際に混乱を生む原因となっています。
そこで登場したのが、”Standards Advancement for the Legal Industry”(Sali)です。Saliは業界標準となる共通のデータ言語と分類体系を提供し、法律データの管理を統一しようとしています。一貫した法律タクソノミーを使用すれば、法律事務所や企業内法務チームはより簡単にITサプライヤーを変更することが可能になり、効率化が進むでしょう。
この取り組みは大規模な法律事務所、企業法務チーム、法律技術ベンダー等が支持し、統一データ基準への移行には約1年を要すると推定されています。AIシステムを活用して自動的にデータをタグ付ける試みも始まっており、法律業界のデータスタンダード普及への一歩となるでしょう。しかし、グローバルな基準としてはまだ普及しておらず、法律事務所や企業が新しいシステムへ移行するための抵抗やコストには課題が存在します。
出典 : https://www.ft.com/content/9304f61a-72a2-4c86-9d09-2b8014aea0fc