多くの法律事務所が、人間のようなテキストや画像を生成するAI技術のテストを行っているか、導入を計画しています。オーストラリアの法律事務所Gilbert + TobinやMinterEllisonは、契約書のレビューや起草、法律相談の初期対応など、日常的なタスクの自動化に向けてAIを活用してコスト削減と生産性向上を目指しています。Gilbert + TobinはAIの活用案を募り、20,000オーストラリアドルの報奨金を用意するなど積極的な取り組みを行っており、MinterEllisonは高速で法的アドバイスの草案を生成するAIツールを開発しました。
しかし、AIが事実でない情報を生成する「ハルシネーション」などのリスクも指摘されており、法的文書の草稿には不十分な部分があるため、最終的なチェックは人間の弁護士が行っています。中国の法律事務所JunHeのパートナーであるPete Zhangは、中国のAIは研究や法的分析、emailの翻訳のようなタスクには有用ですが、法的文書の起草にはまだ品質が十分でないと述べています。
これらの動きを見る限り、法律業界におけるAIの活用は今後も加速していくでしょうが、正確な情報に基づかなければ有益な成果を得られないため、その品質には注意が必要です。また、中国のようにデータプライバシー規制がある国では、外国製のツールを使うことに課題が伴います。それでも、Gilbert + TobinのCaryn Sandlerは、AIが法律業界にとって大きな機会をもたらすと期待を寄せています。
出典 : https://www.ft.com/content/a3be653f-2563-4e65-a64c-c2f31a4f8bf7